Interview & Report

Phil Oh / Susie Lau / Tommy Ton

Phil Oh / Susie Lau / Tommy Ton フィル・オー/スージー・ロウ/トミー・トン

3ブロガーインタビュー

フィル・オー(中央)
NY在住。「Street Peeper」を立ち上げる。VOGUE.comにも寄稿するファッションブロガー。

スージー・ロウ(左)
ロンドン在住のライター/エディター。ブログ「Style Bubble」を立ち上げる。フリーランサーとして『ELLE』『The Daily Rubbish』『Dazed Digital』などで執筆中。

トミー・トン(右)
カナダ・トロント出身。販売スタッフやバイヤーなどを経て、「JAK&JIL」を立ち上げる。STYLE.COMとGQ.comに寄稿中。

独自の視点から発信されるブログが、世界中のファッション関係者の注目を集めているフィル・オー(「Street Peeper」)、スージー・ロウ(「Style Bubble」)、トミー・トン(「JAK&JIL」)の3氏が、Mercedes-Benz Fashion Week TOKYO 2014 S/S期間中に揃って来日した。これまでも幾度となく日本を訪れている彼らは旧知の仲で、今回の東京滞在中も行動を共にすることが多かったという。各地のファッション・ウィークに足を運び、最新のファッショントレンドをウォッチし続けている彼らに、東京のファッションスタイルに対する印象や、お気に入りのブランド、ショップなどについて自由に語ってもらった。

まずは3人の出会いについて教えてください。

トミー:フィルと出会ったのは、2007年のパリコレクションの会場。その時に僕はジェレミー・スコットを着ていたんですが、そのスタイルをフィルが撮りたいと言って声をかけてきたのが最初です。そして、その1年後にも同じようにフィルに声をかけられて、最初は誰かわからなかったんだけど、すぐに思い出して(笑)。その後も行く先々で顔を合わせているうちに、自然と仲良くなりました。

フィル:スージーとは、ロンドンのファッション・ウィークで出会ったんです。彼女はすでにブログを始めていて顔は知っていたので、その場ですぐにスージーだとわかりました。

スージー:私は「DAZED&CONFUSED」などで記事を書いていて、ブログを始めたのは2006年からだったので。

フィル:僕がストリートスナップを始めたのは、第一人者と言われている「THE SARTORIALIST」のスコット・シューマンと同じくらいの時期だったんですが、僕の場合は、日本の雑誌『FRUiTS』を見て、これは面白いと思ったのがきっかけなんです。もともとストリートスナップというのは、日本が作った文化なんですよね。

トミー:僕らがストリートスナップを始めた当時は、ファッション・ウィークのショー会場などで写真を撮っている人たちの多くが日本人でした。そこでは日本語が話せない僕らはマイナーな存在で、それもあってフィルと仲良くなったところがあるんです(笑)。

 

日本にはこれまでに何度もいらしていると思いますが、東京のファッションの印象を教えて下さい。

トミー:東京のファッションスタイルは本当にバリエーションが豊かですよね。街を歩けば、アヴァンギャルドからロリータまでさまざまなファッションを見ることができて、しかも一つ一つのスタイルが非常にユニークだと思います。ストリートスナップを撮っている人間からすると凄く興味深いし、ネタになるものがたくさんある。周りの人たちも多様なスタイルを寛容に受け入れているし、他の人のファッションに影響を受けて、積極的に自分に取り入れていくのも東京の凄いところだと思います。ここには見るべきものが本当にたくさん詰まっていますよね。

スージー:日本人というのはお互いに寛容でありながら、自分のスタイルに対する忠誠心を持っていて、それぞれが”スタイル・トライブ”を形成しているように感じます。これまでに日本にはさまざまな文化が入ってきていて、それを日本人の寛容さをもって自由に取り入れることで独自のサブカルチャーを育んできた歴史がありますよね。それが多様な東京のファッションにもつながっていると思うし、街中を歩いているとさまざまなパーソナルなスタイルに自然と出合うことができるというのもとても印象的ですね。

フィル:ブランドにしても、コムデギャルソンからメルシーボークーやネ・ネットなどまで、他の国にはない日本ならではのファッションスタイルというものがありますよね。

トミー:サラリーマンや寿司職人などの制服文化がある一方で、こうした多様なファッションがあるというのはとても面白いし、こんな国は他にはないと思います。

Tommy Ton

お気に入りの日本のブランドやショップ、スポットなどを教えて下さい。

フィル:ブランドだと、サスクワァッチファブリックスやサカイ、コムデギャルソン、フェノメノンですね。ショップでは、渋谷のGARDENやRAGTAGが気に入っています。

スージー:私はサカイやフェノメノンが好きですね。あとは、ジェニー・ファックスやトーガ。よく行くショップは、高円寺のキタコレや原宿のMACARONIC、RAGTAGやビューティ&ユース ユナイテッドアローズです。

トミー:日本のブランドで好きなのは、ビズビム、ノンネイティブ、サスクワァッチファブリックス、アンユーズド。ビズビムのショップ「F.I.L」にも行きますし、他では伊勢丹やユナイテッドアローズも好きです。

 

Susie Lau

スージー:ショップではないけど、私は渋谷のスクランブル交差点が大好き。一日中見ていても飽きないくらい楽しいですね。

フィル:僕が大好きなのは日本のトイレ! もう最高に快適ですよ。

一同:(笑)。

トミー:好きな場所と言えば、新宿のロボットレストランは最高ですね(笑)。

スージー:築地もすばらしい!

フィル:お寿司屋さんはニューヨークなどにもあるけど、日本はどこに行っても回転寿司も含めて凄く美味しいお店がたくさんありますよね。

スージー:日本は果物や野菜も凄く美味しい。オーガニックでクオリティが高いと思います。

 

Phil Oh

最後に、東京のファッションやファッション・ウィークに今後期待することをひと言ずつお願いできますか?

スージー:東京のファッションが私に見せてくれるものすべてに期待しています。目に見えるものだけではなく、思想や哲学などあらゆるものが凝縮された東京のファッションというものが、ファッション・ウィークのステートメントとなって、私たちに伝わってくるといいなと思っています。

フィル:僕はプレス・ディスカウントにも期待したいですね(笑)。

スージー:それとクリエイティビティでしょ?

フィル:もちろん! それを先に書いておいてくださいね(笑)。

トミー:さまざまな人の装いを、ランウェイからストリートまであらゆる場所で見られたらいいなと思っています。人々のスタイルを見たり、洋服に実際に触れたりしながら、鳥肌が立つような体験ができたらいいですね。

スージー:”SUGOI!”という感覚を味わいたいです!

 

INTERVIEW by Yuki Harada

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