Interview & Report
Interview & Report

ヘザー・グラムストン/コスタンツァ・ロンバルディ

ヘザー・グラムストン/コスタンツァ・ロンバルディ Heather Gramston / Costanza Lombardi

RakutenFWT 2020 S/S 海外ゲスト

右:Heather Gramston(ヘザー・グラムストン)/BROWNS Woman’s Buying Manager
左:Costanza Lombardi(コスタンツァ・ロンバルディ)/BROWNS Woman’s RTW Buyer

Rakuten Fashion Week TOKYO 2020 S/S 開催期間中に、JETROの招聘によって、イギリスを代表するセレクトショップ「ブラウンズ」のウィメンズ バイイングマネージャーのHeather Gramston(ヘザー・グラムストン)氏と、ウィメンズバイヤーのCostanza Lombardi(コスタンツァ・ロンバルディ)氏の2人が来日した。東京のファッション・ウィークには初めての参加となったお二人に、ファッション・ウィークの印象や日本ブランドの特徴などについて伺った。

今回で来日は何回になりますか?

コスタンツァ・ロンバルディ(以下、コスタンツァ): 2回目です。前回は休暇をとって、およそ10日間のスケジュールで東京、京都、直島などを回りました。以前から日本にはとても興味がありましたが、東京はロンドンの街並みと似ているところがありつつ、ストリートファッションなどでは異なる点も多く、非常に新鮮な体験でした。

JETROの招聘で来日が決まった時は、どのようなことを考えましたか?

ヘザー&コスタンツァ: 非常に光栄に思いました。日本のブランドはそれぞれ個性やユニークネスがあり、新しいスタイリングを提案しているイメージもあったので、今回多くの新しいブランドと出会えることが楽しみで、とてもワクワクした気持ちになりました。

今回の来日に向けて、東京のリサーチはされましたか?

ヘザー&コスタンツァ: もちろんです。私たちの同僚や友人などから、東京でオススメのショップやレストランなどの情報を仕入れ、行くべき場所のリストをつくっていきました。また、Instagramで新しいブランドのリサーチなどもしました。

来日されてからは、どのようなところに足を運ばれましたか?

ヘザー&コスタンツァ: 青山や六本木などに行き、非常に興味深い建築や美術館などを見て回りました。それ以外にもブランドのお店やセレクトショップなどにも足を運びました。

東京のファッション・ウィークについては、どのような印象を持たれましたか?

コスタンツァ: ヨーロッパのファッション・ウィークには、毎シーズン同じような顔ぶれのブランドが参加し、ショーを行っているイメージが強いのですが、東京のファッション・ウィークは関しては、新しいブランドが次々と現れている印象を受けました。

今回ご覧になったショーの中で、特に印象に残っているブランドがあればお聞かせください。

ヘザー&コスタンツァ: 私たちは、2019年春夏シーズンからHYKE(ハイク)との取り引きを始めていることもあり、今回のハイクのショーに注目していたし、とても印象的でしたね。

おふたりが働かれているブラウンズについても、お話を聞かせてください。

ヘザー&コスタンツァ: 現在ブラウンズは、ロンドンに2つの実店舗があり、同時に展開しているオンラインショップは、およそ170カ国のお客様にご利用いただいています。私たちは、お客様のニーズを満たせるように日々努力をしながら、進化を続けてきましたが、特に近年は、実店舗とオンラインという2つのチャネルを組み合わせ、サービスを提供していくことが非常に大切になってきています。

ブラウンズにおいて、実店舗とオンラインショップはどのような関係性にありますか?

ヘザー&コスタンツァ: グローバルな視点で見ると、実店舗に来店されるお客様は限られますが、オンラインで初めて目にした洋服を、実店舗で接客を受け、直に商品に触れたり試着をしてから購入されるというケースも少なくありません。一方で、高額の商品などでもオンラインで見ただけで購入される方もいらっしゃいます。このようにお客様の買い物の仕方はさまざまですが、基本的に売れ筋の商品などは実店舗とオンラインで大きな違いはありません。商品ラインナップに関しては、スペースにも限りがある実店舗では、常にお店を新鮮な形でプレゼンテーションするために、新しい商品を頻繁に入れ替えていくように意識しています。

現在取り扱っている日本のブランドについても教えてください。

ヘザー&コスタンツァ: 現在は、イッセイミヤケのプリーツプリーズと、先ほどもお話ししたハイクを取り扱っています。私たちとしては、今後より多くの日本のブランドを取り入れていきたいと考えています。

ヨーロッパにおける日本ブランドの認知度についてはいかがでしょうか?

コスタンツァ: ヨウジヤマモトやコムデギャルソンなどのブランドはヨーロッパの人たちにも広く知られていますが、新しい世代のブランドについてはあまり広く知られていないのが現状だと思います。そうした点からも、日本に足を運んで新しいブランドに触れ、日本のファッション界で今何が起きているのかということをヨーロッパの人たちに伝えていくことが私たちの大きな役割だと考えています。

ヘザー: ハイクなどのブランドを取り扱い始めた背景にも、同様の考えがあります。今は歴史のあるブランドに比べ、はるかに知名度が低い若手ブランドなどもオンラインで比較的容易に見つけられる時代になっています。しかし、それらを実際に手に取れる形でヨーロッパに紹介し、魅力を伝えていくということは誰にでもできることではなく、それが私たちの使命でもあるのです。

日本のブランドが海外に進出する上での強みや課題についてはどのように考えていますか?

コンスタンツァ: 着物などに通ずる伝統的な日本の手仕事を感じさせる服づくりというのは大きな強みだと思います。今回来日してから目にした、日本の昔ながらのものづくりにインスパイアされたメンズのワークウエアなども非常に印象的でしたし、長年培われてきた日本ならではの手仕事や生地づくりのテクニックなどからは大きな刺激を受けています。一方で課題があるとすれば、先ほどもお話ししたブランドの認知度の向上、そして価格や配送面のハードルをクリアすることでしょうか。

ヘザー: ヨーロッパで日本のブランドが存在感を示していくためには、SNSなどを活用して、ブランドのコンセプトや強みを積極的に発信していくことも大切になると思います。

最後に、近年注目しているファッション業界のトピックや、今後ブラウンズとして注力していきたいことなどをお聞かせください。

ヘザー: 近年は地球環境などに配慮したサスティナブルなアイテムがラグジュアリーブランドなどからもリリースされており、今後こうした取り組みが業界全体に広がっていくことを期待しています。

コンスタンツァ: こうした取り組みへの意識は、消費者の間でも徐々に高まってきているように感じます。その中で私たちとしても、サスティナブルなブランドやアイテムを編集し、オンラインショップなどで発信していくような取り組みに力を入れていきたいと考えています。

Interview by Yuki Harada

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