Interview & Report

小嶋 陽菜 Haruna Kojima

小嶋 陽菜 Haruna Kojima タレント/ファッションモデル/女優

Her lip to(ハーリップトゥ)デザイナー

1988年4月19日生まれ。埼玉県出身。
2005年にAKB48の第1期メンバーとして活動を開始。
2017年4月19日AKB48を卒業。
雑誌『sweet』『MAQUIA』『美人百花』などでモデルとして活動する一方、
2018年にアパレルブランド「Her lip to」を立ち上げ、プロデューサーとしても積極的に活動している。
2019年からYouTubeで配信を開始した「VLOG」は、紹介したコスメが手に入らなくなるなど、反響を呼んでいる。

タレント、モデルとして活躍する小嶋陽菜氏が2018年に立ち上げたファッションブランド「Her lip to」。ブランド開始から1年が経ち、いまや多くのファンが新作の発表を待ち望むほどの人気ブランドとなった。その「Her lip to」によるFall CollectionのLimited Storeが、Rakuten Fash-ion Week TOKYO 2020 S/Sの関連イベントとして10月19日(土)・20(日)に開催される。
SNSを最大限に活用し、ECサイトでの販売に特化したD2Cブランドとしても注目される「Her lip to」をプロデュースする小嶋氏に、ブランド立ち上げの経緯や服づくりにかける思い、今回の関連イベントの意気込みなどを語ってもらった。

小嶋さんは昨年ご自身のブランドを立ち上げましたが、以前から服づくりには興味があったのですか?

もともとファッションは好きでしたが、自分のブランドを立ち上げようとは考えていなかったんです。AKB48に在籍中はたくさんのメディアに出させていただいたので、卒業後はその経験を活かし、自分がメディアとなり、発信する側にまわりたいと思いました。自身のライフスタイルや好きなことについて共感し合える、クローズドなコミュニティーを作りたいと考え、その一環として気に入った素材でお洋服を数点つくってみたことが、ブランドを始めるきっかけになりました。

これまでにアイドルやモデルとしてご自身のことを表現されてきた小嶋さんですが、それらの活動とご自身のブランドで洋服をつくることに何か違いはありますか?

アイドルやモデルの仕事を通して、自分が着る洋服が人に与える印象や、好きな洋服をオススメする時の伝え方などの表現については学ぶことができました。ある意味、自分のブランドもその延長線上にあると言えるかもしれません。ただ、共通しているのはそれくらいで、実際にやっていることはかなり違うと思いますけど(笑)。

Her lip toが特にこだわっている点や、大切にしていることを教えてください。

シーズンテーマなどは設定せずに、その時々で自分が着たいと思うものをつくるようにしています。例えば、「こういうワンピースを着てビーチリゾートに行きたい」とか頭の中にある漠然としたイメージや、普段のお買い物などを通して色々なものに触れてきた経験をベースに、メーカーさんと話し合いながら洋服に落とし込んでいます。

ブランドを始めてすでに1年が経ちますが、その中で何か変わってきたことはありますか?

最初は小さな規模でも続けられればいいなと思っていましたが、予想以上に反響があり、型数を増やしたり、私のことをあまり知らない方がブランドを好きになってくれることもあったり、とても驚いています。また、当初はスカートやパンツなど色々なアイテムをつくっていましたが、オンラインでの販売には日常的なアイテムよりも少し特別感がある商品の方が向いていることもあって、今年の春から私自身ももともと好きだったワンピース、ドレスを中心としたブランドにシフトしました。ワンピースやドレスは気分を高められるアイテムですし、Her lip toの洋服に袖を通すことで日常よりも少しテンションが上がるような時間を過ごしてほしいと思っています。

予想以上の反響があったということですが、その要因はどんなところにあると思いますか?

Her lip toのアイテム一着一着に、私自身の思い入れやストーリーがあるので、SNSなどを通じてそれをしっかり伝えられたのかなと思っています。ブランドを続けていると、「オフィスで着られる洋服がほしい」など色々なご要望を頂くんですね。ただ、そういう機能性が高いお洋服は他にもたくさんあると思っているので、Her lip toでは、たとえニッチなものだったとしても私が好きなもの、つくれるお洋服というものを大切にしています。

小嶋さんはこれまでもさまざまな形でファッションと関わられてきたと思いますが、ご自身にとってファッションとはどんなものですか?

なりたい自分になれるものであり、人からこう見られたいという願望を叶えてくれるような、最も自分を表現できるツールだと思っています。一方で、ファッションというのはその人のイメージを決めてしまう側面もあるので、特に人から見られる仕事をしている私は、周囲からのイメージと自分が着たい洋服のギャップに真剣に悩むこともありますね(笑)。 私はファッションに限らず、色々なものに挑戦したいと常に思っていますが、ブランドを1年間続けてみて、「私の体型ではこの色や形は似合わない」とか、「これとこれをコーディネートしてはいけない」といった固定概念に縛られてしまっている人が多いなと感じます。ファッションはもっと挑戦をして良いものだと思うし、もっともっと自由に楽しめるものなんだということを提案していきたいですね。

Rakuten Fashion Week TOKYOの関連イベントとして開催されるリミテッドストアについても聞かせてください。

Her lip toでは年に数回ポップアップストアを開催していますが、お洋服を間近で見てもらえるのはこの時だけなので、ブランドとしてとても大切な機会です。私がお店に立つこともあるのですが、そこでお客さんの着こなしが見られるのはうれしいですし、洋服づくりのヒントにもなります。特に今回はファッション・ウィークの関連イベントということもあり、これまでブランドのことを知らなかった方たちにも見て頂けるんじゃないかと期待しています。みなさんがどんな反応をしてくれるのかとても楽しみですし、一方で少し緊張感もありますね。

これまでファッション・ウィークに足を運んだことはありますか?

東京やミラノのファッション・ウィークに何度か行ったことがあります。これだけおしゃれな人たちが集まる場所というのは他になかなかないですし、会場にいるだけで気持ちが高まりますよね。ファッションショーというのは非日常の世界に浸れる機会だと思います。アート作品に触れるのに近い感覚がありますね。

ご自身のブランドでファッションショーをしてみたいという思いはありますか?

これまで私は、ファッションの表現としてショーをするという経験がないのでわからない部分も多いですが、いつか機会があれば挑戦してみたいですね。その時に、自分が表に立って表現してきた経験が活かせるかもしれないですし、コンテンツメーカーとして上手くスイッチを切り替えることができたらいいなと思っています。

今後のブランドの展望やチャレンジしてみたいことを教えてください。

普段オンラインだけだからこそ、ポップアップショップをする度にリアル店舗の良さは感じます。ただ、店舗にこだわらず、何か面白いことができないかといつも考えているので、良いアイデアが出てきたらどんどん形にしていきたいですし、色々なものを吸収しながらアパレルだけにとらわれず色々な表現をしていきたいです。ブランドは徐々に大きくなっていますが、これからも私の目が届く範囲で、自分が好きなものを納得できる形でお届けしていきたいと思っています。

これからの小嶋さんご自身の活動の中で、ブランドの運営はどのような位置づけになっていくのでしょうか?

いまはブランドにかけている時間が全体の8割くらいなんです。アイドルを卒業する頃には、自分が表に立って表現することに関しては、やれることは全てやり切ったな、と思えたんです。その頃から、これからはつくり手側に回りたいと考えてきたので、今後もプロデュース活動には力を注いでいきたいなと思っています

ご自身のブランドでファッションショーをしてみたいという思いはありますか?

これまで私は、ファッションの表現としてショーをするという経験がないのでわからない部分も多いですが、いつか機会があれば挑戦してみたいですね。その時に、自分が表に立って表現してきた経験が活かせるかもしれないですし、コンテンツメーカーとして上手くスイッチを切り替えることができたらいいなと思っています。

小嶋さんおすすめの「Her lip to」秋冬アイテム
その1「Wave Denim Two Piece」

「デニム素材でありながら、温かみのあるニュアンス加工を施した素材からイメージを広げ、Her lip toらしいディテールを配したエレガントで印象的なセットアップに仕上げました。前上がりの美しいラインを描くフィッシュテールがスタイルアップを叶えてくれるデザイン。ブラウスとスカートそれぞれの単品使い、ウエストイン、アウトスタイルなど様々なコーディネートをお楽しみいただける魅力的なアイテムです。」(小嶋さん談)

小嶋さんおすすめの「Her lip to」秋冬アイテム
その2「Cherry Pattem Cache-Coeur One-Piece」

「Her lip toのアイコンとも言えるチェリーワンピースに秋らしい新色が登場。パフスリーブと胸元のカシュクール、ウエストラインなど、細かなディテールが人気のポイントです。」(小嶋さん談)

Interview by Yuki Harada
Photography by Daichi Saito(インタビュー撮影)

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