初参加ブランドアンケート / That’s Totally Fine <LAFC>
Los Angeles Fashion Council
Brand / Designer
That’s Totally Fine / Rosa La Grua
Category
Contemporary Women’s / Clothing
ブランドや服作りについて
―ファッションデザイナーを目指したきっかけと、ブランドを立ち上げた経緯を教えてください。
子供の頃からずっと縫い続けてきました。
8歳の時に祖母から裁縫の基礎を教わり、それ以来デザインをし続けています。12歳の時に人生初のファッションショーを自作しました。デザイナーになるという“選択”をしたことはなく、自分が好きでやっている裁縫とデザインが職業として自分が生き延びる道だとある時点で“悟った”というのが正しいかもしれません。
2011年にロードアイランド造形大学でファッションデザインの美術学士号(BFA)を取得しました。以来、ブランド・アイデンティティは守りつつ、自分のデザインセンスを磨き続けるように心がけています。
―ブランドのコンセプトや服作りを通して伝えたいことは?また、提案したい男性像・女性像はありますか
That’s Totally Fine はストリートウェアやクラブカルチャー、既存のスタイルにはまらないパターンカットを融合させて時代にとらわれない作品を作るユニセックスブランドで、広がりを見せるLGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、ジェンダークィア)層にアピールしています。
どのコレクションでも万能に着こなせるゆったりとした作品を披露し、あらゆるバックグラウンド、サイズの人でも着心地が良く、それでいてスタイリッシュに感じられることを心掛けています。このような形で、ジェンダー(性)と体型の両方に対する垣根を取り除いていくことが私の願いです。心地良さと品質・スタイリッシュを両立した服を人々に実感してほしいと特に考えています。
―クリエーションにおけるインスピレーション源、コンセプトメイキングの方法は?
アイデアは突然閃くことが多いです。
私は視覚中心の人間なので、日中、好きなことに気がついても、心の中にしまっておくことが多い。こうした頭の中にある印象が、休憩をしている時や朝食を食べている時、電車に乗っている時など後になって、デザインコンセプトとして完成した形として表れることがよくあります。
仕事として取り組んでいることは全て、こうした時の関心が融合したものです。例えば、演劇、日帰り旅行や見つけた古着屋などは必ずと言っていいほど、後で作品の中に表現されていると言っていいでしょう。一度コンセプトが固まると、机に向かって、仕立て上の注意点やディテールと一緒に固まったアイデアをデッサンをします。テーマを限定して、凝り固まった作品を作ることで、自分の枠を狭めないように心がけています。完全なコレクションというのは、皆のための何かでなければならないと私は考えています。
―現在の取り扱い店舗を教えてください。また、ブランドのファンはどのような人たちですか?
現在のところ、新鋭のヒップなデザイナーを扱っているHaus of Loveという独立系ブティックとThe Babe’s Denというeコマースショップの2つで取り扱われています。
ドラマチックなスタイルセンスを持つ8歳から28歳の男性・女性、ミュージシャンが主なお得意様です。ブルーク・キャンディー、アゼリア・バンクス、Soko、ニッコー・グレイ、SabiやKingも私の服を着ています。常に新しいトレンドや斬新な新しいスタイルを追い求めるファッションに敏感な人たちが、たくさん私のソーシャルメディアのフォロワーになってくれています。
―ファッションで影響を受けたブランドやデザイナー、スタイル、カルチャーは?また、その理由は?
私が好きなデザイナーは69のAmber Halfordです。
フリーで彼女のパターンとサンプルを作成していますが、彼女はビンテージの作品を現代のデニムルックにうまく変える才能があります。シンプルであることの素晴らしさを教えてくれたのも彼女です。
2014-15 A/Wについて
―MBFWT 2014-15 A/Wへの参加の動機は?
日本のストリートファッションには魅了され続けてきました。
ロサンゼルスやニューヨークの人たちもいつか日本の若者のように自由に自分を表現できるようになってほしいと願っています。Los Angeles Fashion Councilを通じて、東京で作品を披露する話が来た時、強く引きつけられました。
私のコレクションが皆さんのご期待に添えるかどうか、早く目の当たりにしたいです。
―2014-15 A/Wシーズンのコンセプトやイメージを教えてください。
次のコレクションはシンプルな幾何学と互換性がテーマです。
コレクション・ラインはトレーナーとしても着れるコートやチビTシャツにもなるドレスなど、脱ぎ着ができる作品がテーマです。ラインを目にした人は「Prairie Punk」と表現しています。フェルトウール、ウォッシュデニム、キャンバス、シフォンなどの素材、そしていつものように数々のチェック模様を中心に用いています。
今回のコレクションにはさまざまな着こなしができるような、中性的で時代にとらわれない作品が特に数多く含まれています。
―どのようなショーになりそうですか?
ビジョンを語るのは服自身だと思っているので、簡素で手入れが楽であることを常に念頭に置いています。
服は現実の人々が日々身に纏うものなので、身近で簡単に着ることができるというのがコンセプトです。
今後
―ブランドとしての展望を教えてください。
現在のところ、大量の製造オーダーに応えられるよう、素材のサプライヤーと工場の体制を備えています。
新しい店舗を手掛け、スタジオを今より良いロケーションに移動できれば、理想的だと思っています。
2014年中に新しい場所で会社を立ち上げ、ライン開発や製造ニーズに応えるためにさらに人材を雇いたいと考えています。
TOKYOについて
―あなたにとってTOKYOとはどんな街ですか?
東京は間違いなく私に未来を示してくれる場所です。
東京のストリートファッションのイメージは何年も私にインスピレーションを与え、私をデザインへと駆り立て続けています。ファッションへの熱狂が東京の若者の手に委ねられている限り、こうした熱狂が世界の希望になるというのが私の思想です。
―東京で好きな街もしくはスポットと、その理由を教えてください。
東京には行ったことがありません。
モデルや教師として東京を行ったり来たりしている友達が何人かいるので、お勧めの場所を教えてもらう予定です。
早く東京を肌で感じたいと思っています。
その他
―お気に入りもしくはオススメのショップ、スポットと、その理由を教えてください。
新しいものはほとんど買わないので、お気に入りの店のほとんどは古着屋です。
以前、友人に「人間は木の実を貯め込むリスだけど、君は古い物が好きなんだな」と言われたことがあります。これは的を射ていると思います。
お気に入りの古着屋はマサチューセッツのCambridge Antique Martとカリフォルニア州パサデナのPCC Flea Market、それからニューヨークのExquisite Costumeです。ここに行けば、必ず気に入ったものが見つかります。
古着屋でないお店に行くとしたら、WeltenbeurgerやAssembly、Haus of Loveといった小さなブティックの方が好きです。小さい店の方が、どこにでも出回っているものと違うアイテムがあるし、革新的なデザイナーの服も多い。多少お金がかかることもあるけれど、ユニークな物にはそれだけの価値があります。
他に、Home Depotなんかも好きです。何か問題にぶち当たって困った時はいつも、ここに行くようにしています。ファッションと同じで、Home Depotもソリューションがテーマなので、店内を歩いていると、あらゆるアイデアが浮かんできて、頭の中で問題解決の回路が突然動き出すような感じになるのです。