tokyoeye 2016 | フランスの専門家による日本ブランド向けアドバイス・セッションを開催
独立行政法人 中小企業基盤整備機構(中小機構)が行う補助事業を活用し、海外進出を目指す中小・新進のファッションブランドを支援する「tokyoeye(トーキョーアイ) 2016」プロジェクトが、昨年度に引き続き2015年度にも実施されています。
今年度は一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構(JFWO)が受託・運営主体となり、メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク東京への参加経験者を中心にレディスの計26ブランドがプロジェクトに参加しています。
プロジェクトでは、6月15日~19日にフランスよりファッションコンサルタントのCindy HO(シンディ・ホー)氏と梅只泰夫氏を招聘し、参加ブランド18社への個別アドバイス・セッションと、8社への合同レクチャーを実施しました。
個別面談で各社のアーカイブを見たシンディさんは「今年は参加社が多く、日本のブランドの多面的な魅力を感じました。特に、産地の工場と開発段階から一緒に取り組んでクオリティの高いオリジナル素材が作れることは、ヨーロッパの若手デザイナーにはまずあり得ない、日本ならではの恵まれた特権。海外の高感度なバイヤーにもアピールする点です」とコメント。
レクチャーを担当した梅只さんも「ランウェイショーを行っていなくても海外のショウルームなどと長年取組んでいるブランドもいて、層の厚みを感じます」と期待を寄せていました。
一方でシンディさんからは「多くの競合ブランドの中で海外バイヤーの心をつかむには、サイズやシルエットに改良が必要。また、日本のデザイナーは『こだわり過ぎて、高いものばかり作ってしまう』傾向がありますが、ビジネスとして成功するには、『こだわった素材の、ある程度値の張るアイテム群』と『割り切って素材のランクを一段下げ、買いやすい値で作るアイテム群』に分けるなどの戦略も重要です」との指摘もありました。
海外専門家から商品企画やビジネス面でのアドバイスを受けて商品の開発・改良を行う当プロジェクトでは、7月にも『レクレルール』のオーナーであり『TRANOI』のオーガナイザーも務めるArmand HADIDA(アルマン・アディダ)氏を招聘したアドバイス・セッションを予定。参加ブランドの一部は10月初にパリの『TRANOI FEMME』に出展して海外バイヤーの評価を得るほか、10月末には再びシンディさん、梅只さんが来日、全社へのフィードバック面談を行います。
■招聘専門家について
Cindy HO(シンディ・ホー)氏
ファッションビジネスコンサルタント
フリーランスのディレクター/バイヤーとしてセレクトショップやショウルームへの買い付け/ブランド提案を行うほか、新興国のデザイナー育成プロジェクトなどにもアドバイザーとして参画。Yohji Yamamotoで海外営業部長を務めていた経歴から、世界の有力なバイヤーとのネットワークも持っており、日本のファッション関連ブランドについても造詣が深い。
梅只泰夫氏
ファッションビジネスコンサルタント
Yohji YamamotoのEU社のCEO、デザイナーMartine Sitbonによるブランド『Rue du Mail』のマネージング・ディレクターを務めた経験を持つ。近年は、インドネシアの新進デザイナーへのビジネス開発支援を行うなど、アジアのデザイナーの海外進出支援も手がけている。
■中小機構について
中小機構(正式名称:独立行政法人 中小企業基盤整備機構)は経済産業省所管の中小企業施策の総合的な実施機関です。日本経済を支える中小企業を元気にするため、全国9 ヵ所の地域本部を地域の最前線として、企業のライフステージや課題に合わせた支援体制で中小企業を幅広くサポートしていきます。
中小機構WEBサイト http://www.smrj.go.jp/
■問合せ先
伊藤忠ファッションシステム株式会社内
tokyoeye 2016 プロジェクト事務局
担当(竹澤): tokyoeye@ifs.co.jp