Interview & Report

Danny Roberts

Danny Roberts ダニー・ロバーツ

ファッションアートブロガー

Newport Beach, California, USA (アメリカ、カリフォルニア州、ニューポート ビーチ)生まれ。2008年3月より、兄のDavid(デイビッド)とブログ「Igor+André」を始める。ダニーはThe Academy of Art in San Franciscoに通い、デイビッドはCalifornia Polytechnic State Universityに通った。 Gwen StefaniのHarajuku Lovers、Forever21 、Heutchy Shoes、Lancome、Sundance Channel's Full Frontal Fashion、Aldo Shoes、Models.com、W Hotelsなどとのコラボレーションも手掛ける。

ファッション性の高い独自のイラストレーションによるブログ「Igor+André」を主宰する人気ブロガーとして、また、さまざまなメディアにアートワークを提供する気鋭イラストレーターとして、世界的に注目を集めるカリフォルニア在住の若きクリエイター、ダニー・ロバーツ。JETRO(ジェトロ)の招聘により、先日開催されたMercedes-Benz Fashion Week TOKYO 2012 S/Sに合わせて、初来日を果たした。自身のブログをプラットフォームに、精力的なアーティスト活動を展開している彼の目に、東京のカルチャー、そしてファッション・ウィークはどのように映ったのだろうか?

日本に来るのは今回が初めてですか?

ダニー:はい。今回はジェトロに招聘され、初来日することができました。以前、姉が横浜に短期留学していたことがあって、日本の人や文化のこと、それに洋服のデザインが素敵だという話を聞いていたので、とても楽しみにしていました。

まずは、ブログを始めたきっかけから教えて下さい。

ダニー:昔からイラストレーションは描いていたのですが、ブログについては全然知識がなかったんです(笑)。ある時、コンピュータ会社で働いている兄から、ブログをやってみないかと声をかけられ、その時の勢いで始めることにしました。当初は、「今日のイラスト」のような感じで、ブログに毎日自分の絵を公開していこうと考えていましたが、それがだんだん膨らんでいって、写真や映像なども載せるようになっていきました。

ファッションについてのトピックがメインになっていますが、もともとファッションが好きだったのですか?

ダニー:そうですね。13歳の時に自分のTシャツの会社を作ったくらいですから。当時はアイロンプリントなどでやっていたのですが、もともと洋服を作ることに興味があったので、その後ファッションデザインの学校に進みました。イラストレーションのクラスもいくつかあったのですが、入学当初、先生からイラストに集中してやってみたらどうかというアドバイスをもらい、イラストを中心に作品を作るようになりました。

それ以降、洋服のデザインへの興味は?

ダニー:今でも興味はありますし、装飾のアイデアなど、洋服のデザインのベースになるものも温めているので、機会があればぜひやりたいなと思っています。もし、洋服を作って、それをインターネットなどで販売するということを本格的に始めるとすると、時間も人手もかかってしまいますからね。洋服作りに取り組む時間が、現状なかなか作れません。イラストなら、1、2日で作品を作ることができるからという部分が大きいです。

ブログを始めるようになってから、何か変化はありましたか?

ダニー:ブログで発表するための内容や、新しい表現方法を考えたりする機会が増えたので、普段の仕事のスピードが一気に早くなりましたね(笑)。以前なら覚えるのに1週間くらいかかったことでも、1日で習得できるようになりました。自分のブログがすごい勢いで広がっていて、ちょっと信じられない感覚もありますが、とても楽しんでいます。作品を持ち歩かなくても、パソコンをクリックするだけで世界中の人達に日々の自分の作品を見てもらえるのは素晴らしいと思います。

イラストはどのように描いているのですか?また、完成までどれくらい時間がかかるのですか?

ダニー:最初に自分のカメラで撮影をして、その写真を元にイラストを描いています。仕上げるイラストの内容によって、手描きだけで作る場合と、部分的にPCを使う場合があり、かかる時間も数時間から数週間とまちまちですね。

ブログで情報を発信していくにあたって、何か意識していることはありますか?

ダニー:何かの情報を発信していくという感覚よりも、自分が今やっていることや作った作品を、みんなにシェアしてもらうということを第一に考えています。だから、載せる内容も基本的には自分が好きなものをメインで伝えています。イラスト、写真、映像、またはそれ以外の新しいことなど、何かひとつに絞ることなくブログに載せていきたいと思っています。

他のファッションブログをチェックすることはありますか?

ダニー:最近はあまり時間が取れないのですが、ブログを始めたばかりの頃はよく色んな人のブログを読んでいました。気に入ったブログがあると、感謝の気持ちも込めて、そのブロガーのイラストを描いたりもしていました。

今、これだけファッションブロガーが注目を集めている理由は何だと思いますか?

ダニー:昔はみんな雑誌から情報を得ていましたが、ファッション雑誌に載っている批評などの多くは保守的で、あまり個性がなかったんです。でも、ブログの場合は、色んな人達が誰にも遠慮しないで思ったことを言うことができますよね。一般の人たちにとって、業界の人が書く雑誌の批評よりも、ブログで書かれるコメントの方が共感しやすかったのだと思います。業界人と、一般の人たちの隙間をうまく埋めてくれたのがファッションブロガーで、それがどんどん広がっていったのだと思います。

今回のファッション・ウィークの様子を、ブログではどのように紹介していこうと考えていますか?

ダニー:今回のショーの写真などはブログに公開しています。アメリカに戻ってからは、数週間かけてイラストも描いていきたいですし、たくさん撮った映像も載せていくつもりです。日本はとても良いところで、僕がこんなに楽しんでいるということを、色んな人に見てもらって、嫉妬させたいですね(笑)。

前回のファッション・ウィークは震災の影響で中止になってしまったため、今回は1年ぶりとなるのですが、来日する際に震災のことなどは考えましたか?

ダニー:もちろん震災は大きな出来事でしたが、僕が住んでいるカリフォルニアでも地震はよくありますし、自分たちがコントロールできることではないので、ネガティブなことは何も考えなかったですね。心配性の両親も、来日については何も心配していないようでした。

実際に来日してみて、どんな印象をお持ちですか?

ダニー:東京の街にいるだけで毎秒のように刺激を受けています。例えば、アメリカはまっすぐな道路ばかりでつまらないのですが、日本には小さな道がたくさんあるし、街並みや地形もすごく面白いですね。ファッションに関しても、直線的なすっきりしたラインが多いアメリカに比べて、日本のデザイナーが作る洋服は曲線的なものが多く、見ていてとても興味深いです。

日本のブランドやデザイナーについては、どの程度知っていましたか?

ダニー:特定のデザイナーで知っていたのは山本耀司さんくらいだったので、今回、来日が決まってから、Mercedes-Benz Fashion Week TOKYOのサイトで色んなデザイナーの情報を調べました。実際にいくつかショーを見てみて、本当に素晴らしいなと感じています。

これまでに見たショーの中で、特に印象に残っているものがあれば教えて下さい。

ダニー:どのコレクションもそれぞれ個性があってユニークだと思います。ニ

INTERVIEW by Yuki Harada

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