サラ・アンデルマン Sarah Andelman / 「JUST AN IDEA」創設者
AmazonFWT 2018 A/W 海外ゲストインタビュー vol. 4
「JUST AN IDEA」創設者
Sarah Andelman:
[ Instagram ] https://www.instagram.com/sarahandelman/
JUST AN IDEA:
[ Website ] http://justanidea.com/
[ Instagram ] https://www.instagram.com/justanidea/
今年もAmazon Fashion Week TOKYO 2018 A/Wの会期に合わせて、海外から世界のファッションシーンをリードする様々なゲストが招かれた。ファッション関係者をはじめ、世界中のファッショニスタたちから20年間愛され、昨年末クローズしたパリのセレクトショップ「Colette(コレット)」のクリエイティブディレクターだった、Sarah Andelman(サラ・アンデルマン)氏もそのうちの一人。今回はコレットの創設者で実の母親でもあるColette Roussaux(コレット・ルソー)氏と共に来日した。この日は、フロントに「Think Big」の文字がプリントされたBALENCIAGAの黒いフーディにロングスカートを合わせたスタイリッシュな出で立ちで登場。コレットのことや現在の活動、審査員も務めるTOKYO FASHION AWARDなどについてインタビューを行った。
今回はお母様と来日されましたが、お母様とはよく海外出張や旅行に行かれますか?
よく一緒に出掛けます。母も喜んで来てくれますし、出掛けるきっかけになりますね。
今回の来日で、刺激を受けたショップやスポットがあれば教えてください。
新宿のビームスジャパンと、新しくできた東京ミッドタウン日比谷のHIBIYA CENTRAL MARKETがおすすめと友人から聞いたので、内覧会の日ではなかったのですが(インタビューは2018年3月24日に実施)、特別に訪問させていただきました。海外の商品を扱うのではなく、日本のプロダクトにフォーカスしているところが気に入りました。あと、たまたまフランスのメディアで紹介されていた六本木のギャラリー「complex665」にも行きました。タカ・イシイギャラリーなどを回り、PERROTIN TOKYOで行われていたKAWSのエキシビションも観て来ました。ギャラリーに行くのは大好きですね。
来日の際はどのような方法で情報を収集されていますか?参考にしているメディアがあれば教えてください。
いつも出発直前に準備するので十分に時間を割けませんが、インターネットで調べるほか、日本について事情通の友人が2、3人いるので彼らが最新を教えてくれます。ビームスジャパンも友人のジュリアン・デイヴィッド(Julien Davidデザイナー)から聞いた情報です。メディアで言うとインスタグラムはよくチェックしています。
これまで何度も来日されていて、サラさん自身も「日本通」だと思いますが、日本食で好きなものはありますか?
全部好きですよ。特に、抹茶ベースのものは何でも好きですね。あと、とんかつが大好きで、来日した際は毎回目黒の「とんき」へ行きます。日本では、たまたま入ったお店や適当に買った食べ物でも大体美味しいので、食べ物で失敗することがありません。先程もショーとショーの合間で時間がなくて、ヒカリエ内で急いでランチを買って食べましたが、とても美味しかったです。あと、かき氷も好きですね。先日、中目黒に行った時にお花見の屋台が並んでいて、かき氷を食べられるかと思いましたがなくて残念でした。まだ早かったみたいですね。
ファッション・ウィークについてもお伺いしたいのですが、全体的な印象はいかがでしょうか?
参加しているどのブランドにもたくさんファンがいるためか、ファッション・ウィーク全体として良い雰囲気だと思います。ちなみに今日(3月24日)は、ショー会場に赤ちゃんや子供たちを連れてくる人が多くて、驚きました。まだ、物心がついていないくらい幼い子供がショーを見てどう感じるのか不思議でしたが(笑)、パリのファッション・ウィークではあり得ない光景なので興味深いです。土曜日なのでレジャー感覚で、家族でショーに出掛けるというのも良いかもしれません。
今回ご覧になったショーの中で、印象的だったブランドはありますか?
まずは、BODYSONG.(ボディソング)が好きでした。様々な要素を混ぜたり、ストリートファッションからの影響だったりと、独特のスタイリングが面白かったです。あと、音楽はバンドの生演奏というパフォーマンスも良かったですね。 他にも、AMBUSH®(アンブッシュ)のショーもとても良かったですし、 HYKE(ハイク)、TTT_MSW(ティー)、JENNYFAX(ジェニー ファックス)、KUON(クオン)は、どれももとても強さがあって、独自性を感じました。
東京のファッション・ウィークのタイトルスポンサーが2016年7月にAmazon Fashionに代わり、今回で4シーズン目です。何か変わったと感じられることはありますか?
Amazon Fashion “AT TOKYO”はチャレンジングだし、面白い試みだと思います。 AMBUSH®(アンブッシュ)のショーで、Amazonのダンボール箱を模した弁当箱に入った食事が提供されるという演出はとても良かったです。 NEIGHBORHOOD(ネイバーフッド)でもテレビ画面を破壊する演出があって、驚きました。 私もAmazonユーザーで、日々便利に使っていますが、日本の皆さんには街に出てお買い物を楽しむということも忘れないで欲しいですね。特に日本は、お店ごとに趣向を凝らした可愛いらしいショッピングバッグを提げて街中を歩くというスタイルが特徴であり、文化でもあると思います。私がお店をやっていたので、より一層そう感じてしまうのかもしれませんが。 あと、運営面の話になると思いますが、送迎用にご用意いただいたTESLA(テスラ)の乗り心地がとても良く、ドライバーさんも東京の道を良くご存知のベテランの方で、非常に快適に過ごすことができました。本当に素晴らしかったです!
昨年末、お母様のコレットさんが立ち上げられて、サラさんがクリエイティブディレクターをされていたセレクトショップ「コレット」を閉店されました。世界中のファッショニスタの間で大きな話題となり、悲しむ声も数多く寄せられたと思いますが、コレットを経営されていた20年間を振り返るといかがですか?
20年間とても良いアバンチュールでした。お店を途中で何度も改装しましたし、母と一緒にお店を経営できたことも幸せでした。母が引退することになり、コレット不在ではもはやコレットではなくなるので、必然的に閉店という形になりましたが、同時に私ももう少し自分の時間が欲しいと思っていたため、ちょうど良い時期だったと思います。ただ、バイイングはとても好きな仕事なので、実店舗を持たないにしても、ブランドとコラボレーションをしたり、何かを作ったり、今までのコレットの延長線上で何かしらやっていきたいとは思っています。
コレットといえば、様々なブランドとコラボレーションするショーウィンドウが有名でしたが、印象的だったコラボを教えてください。
とてもたくさんあるので、思い出すのは難しいですが・・・パッと思い浮かんだところでは、東信さんと行なったお花のインスタレーションです。彼とのコラボレーションは2回目でした。最初はだいぶ前になりますが、「逆さま万歳」と題したウィンドウでした。そして次に出てきたアイデアが、何百本もの小さいボトルにお花を入れて展示するというものでした。彼のチームにとっては大変な作業でしたが、とても美しかった!それを「Flowers of Romance」と名付けました。 そして、最後のショーウィンドウは、テレビを何台も重ねて、今まで行ってきた全てのショーウィンドウをアーカイブとして流しました。
コレット閉店後、「JUST AN IDEA」を立ち上げられましたが、どんな会社ですか?ネーミングの由来も教えてください。
すべての物事は、「これはどうかしら?」という私のちょっとしたアイデアから始まるので、会社名をそのまま「JUST AN IDEA」としました。活動内容としては、ブランドのコンサルティングやポップアップの企画など、色々やっていきたいと思っています。今は裏方なので、具体的な活動内容は答えられませんが、ウェブメディアのHYPEBEASTの新しいプロジェクトに参画します。
「JUST AN IDEA」として、今後やりたいことを教えてください。
アートもフードもとても興味があることなので、ジャンル問わず幅広い活動をしていきたいと思っています。あと、コラボレーションや新しいことにもどんどんチャレンジしていきたいですね。
最後に、いま注目していることはありますか?
いま一番興味があることは、サステナブルやエシカルなど環境のことですね。皆も考えている大事なことなので、何らかの形で関わっていきたいと思っています。
2018年3月24日に行われたTOKYO FASHION AWARD WINNER’S DAYプレスカンファレンスにて。左から、MCを担当したハリー杉山氏、井野将之氏(第3回受賞「doublet」デザイナー)、山岸慎平氏(第3回受賞「BED j.w.FORD」デザイナー)、ニック・ウースター氏(海外審査員)、サラ・アンデルマン氏(海外審査員)。
INTERVIEW by Akane Fujioka