初参加ブランドアンケート|CURATED BY EK THONGPRASERT
CURATED BY EK THONGPRASERT
Designer
エック ソンプラサート
Ek Thongprasert
Category
Men’s & Women’s / Clothing and Accessories
ブランドや服作りについて
―ファッションデザイナーを目指したきっかけと、ブランドを立ち上げた経緯を教えてください。
子供の頃からファッションだけでなく他のデザイン分野も含めアートには強い情熱を抱いていました。勉強を始めたのはタイの建築学校ですが、卒業後まもなく、自分が生涯続けたいのはファッションだと気づきました。ダイナミックで身近なものだから興味を持ったのかもしれません。そこで、2004年から2008年までベルギーのアントウェルペン王立芸術学院でファッションを学び、卒業後、2009年にタイのバンコクでブランドを立ち上げました。
―ブランドのコンセプトや服作りを通して伝えたいことは?また、提案したい男性像・女性像はありますか
「CURATED」というブランド名は、アート界でよく使われる「Curated By(~による企画・運営)」から来ています。私はコレクションごとに興味のあるコンテンポラリーアーティストを選んで、その人の作品、コンセプト、哲学を研究してから、それをファッションに造り替えて、アーティストと同じ根っこから新しいコンセプトを生み出します。自分にとって良いファッションは一種のアートです。なぜなら、それはただ体を覆うだけのものではなく、周りの人たちに自分というストーリーを語る視覚的な言語の一種だと思うからです。私が支持するのは、ファッションだけでなくライフスタイル全般に強い自信とユニークなスタイルを持つ人です。そういう人たちは面白いし目立つので。私の服を着て下さるのも、そういう方々なのだと思います。
―クリエーションにおけるインスピレーション源、コンセプトメイキングの方法は?
先ほども言った通り、私にとってファッションはアートなので、コンテンポラリーアーティストという興味深いコンセプトからは今後もインスパイアされ続けると思います。旅行に行ったときには必ずギャラリーに行って最新のアートに触れ、アート界の動向を確認します。面白いアーティストを見つけると、すぐにその人の研究を始めて、深く掘り下げたい部分を探し、見たものから何らかのコンセプトを見出すようにしています。そのあと、着想をすべて完成させてからデザインに取りかかり、コレクションで使いたいテクニックやディテールの試行錯誤を行います。
―ファッションで影響を受けたブランドやデザイナー、スタイル、カルチャーは?また、その理由は?
コム・デ・ギャルソンは、デザイン哲学だけでなく、経営哲学の側面でも尊敬しています。クリエイティブ面とビジネス面を、とてもしっかりとした効果的な方法で両立させていると思います。
2015-16 A/Wについて
―MBFWT 2015-16 A/Wへの参加の動機は?
私にとって日本はアジア最強の市場のひとつだからです。経済規模が大きいからだけでなく、日本のオーディエンスはあらゆる美的産業に対して非常に成熟した感性を持っています。
―2015-16 A/Wシーズンのコンセプトやイメージを教えてください。
2015年秋冬コレクションのコンセプトは「2Q15」です。これはアメリカ人アーティストのダニエル・アーシャムの『The Future Is Always Now(未来は常に現在)』という作品と、作家の村上春樹の『1Q84 』という小説のコンセプトにインスパイアされたものです。
2Q15は、人々の記憶の一部を変えることで、今の世界観に疑問を投げかけようとする概念を表します。記憶を改ざんされた人間は、本物と偽物を間違えるだろうか?違和感を抱いたことで疑問を発し、これまでと違った見方で世界をとらえるようになるだろうか?ほかには、どんな反応を見せるだろうか?
2Q15で語られるストーリーでは、アフリカ大陸が世界経済をけん引する最強の大陸になっていて、ほかの国にアフリカの美的センスがどんどん流れ込んでいます。もしアフリカの伝統文化や儀式が、いまのポップカルチャーのようなモダンなものになったら、世界はどんなふうになるだろう?コレクション自体がその答えになっています。
―ショーもしくはインスタレーションの構想を差し支えない範囲で教えてください。
「CURATED」はアートとファッションを融合させるファッションブランドなので、通常のファッションショーでは私たちのビジョンにフィットしないと思いした。そこで今回の展示で企画したのは、アートのインスタレーション作品とファッション展示会のミックスです。動画を上映することで展示スペースを私たちの雰囲気に変えて、その他のインスタレーションによって自分たちのコンセプトをより深く理解していただけるようにしたいです。
今後
―ブランドとしての展望を教えてください。
将来的に「CURATED」はファッションブランドだけでなく、デザイン研究所のようなものに広げていきたいと考えています。デザインの各分野はすべて互いに融合でき、そうすることでより面白いものが生まれます。様々なフィールドのデザイナーたちが集まって、それぞれの分野のビジョンを超えたプロジェクトを一緒に創り上げられるような施設を作るのが夢です。
TOKYOについて
―あなたにとってTOKYOとはどんな街ですか?
私にとって東京はひとつの大きなサラダボウルです。面白い材料を色々ミックスしながら、それぞれの持ち味を壊さないような。古い伝統から超モダンまで独自のスタイルを支持するグループがたくさんあって、そのすべてが混ざり合っているのに、一つ一つのもとの個性が失われていない。それが東京の魅力だと思います。
―東京で好きな街もしくはスポットと、その理由を教えてください。
実は東京にはあまり行く機会がなくて、最後に訪れたのは2003年です。面白いブティックやショップがひしめく青山が記憶に残っています。新宿みたいに賑やかではないけれど、歩いていて面白いエリアでした。
―お気に入りもしくはオススメのショップ(ファッション、インテリア、飲食などジャンル問わず)、施設、スポットなどを教えてください。
お店には詳しくなくて、コレクションを販売してくださっているドーバー・ストリートと、あとはオープニング・セレモニーを知っているくらいです。3月に東京に行ったときに最新情報を仕入れたいです。