初参加ブランドアンケート / ha ha
ha ha
Designer
鶴田 能史
Takafumi Tsuruta
Category
Men’s, Women’s & Kid’s / Clothing, Hats, Bags, Accessories and other
ブランドや服作りについて
―ファッションデザイナーを目指したきっかけと、ブランドを立ち上げた経緯を教えてください。
高校2年生の時にアルバイト先(コンビニ)で出会った先輩がきっかけです。
女性なのに坊主頭で全身ヴィヴィアンやギャルソンでとてもアバンギャルドでした。その先輩の影響でファッションに興味を持ち原宿が大好きになりました。お金がないのに毎週末、原宿に通いラフォーレ前でみんなのオシャレを観察しているだけで幸せでした。大学に行く進路を迷う事なく変更し専門学校に行きデザイナーになる道を選びました。
専門に入り、まず挫折したのは周りのみんなのレベルの高さでした。自分はただシンプルに服が好きというだけでデザイナーの名前とかも詳しくないし、デザイン画も全然描けなくてデザイナーには到底なれないんだろうと思ってました。ですが自分が誰にも負けない事がありました。『往復5時間かけて3年間皆勤で通学していた事』と『努力する事』です。周りには才能あふれる仲間ばかり…デザイナーを目指して就職活動を頑張るも見事に落ち続け、それでも努力すれば何とかなる!!と信じて頑張り、内定を頂きました。一般人の努力家がデザイナーになれた瞬間です。だからこそ誰でもデザイナーになれる!と声を大にして言いたいです。それからは毎日勉強三昧です。
『毎日一つのファッション知識を覚える』事は社会人になってから11年間一度も欠かした事はありません。そして今ようやくデザイナーになっている実感が湧きます。
デザイナーとしてだけでなく二葉ファッションアカデミーの講師として、教育の現場からの視点もふまえ産学連携で発信できる事は何なのかを考えて生まれたブランドが【ハハ】です。誰にでも浸透していけるようなコンセプトにしてます。とても優しく愛あるブランドです。
―ブランドのコンセプトや服作りを通して伝えたいことは?また、提案したい男性像・女性像はありますか
アバンギャルドな服を作ってただ発信するだけの時代は終わったと思います。
昔はそれが評価され注目されました。レディガガ氏に着て頂く!という意味でなら成立しますが、彼女は一人しかいません。講師という立場で私は学生によく言い聞かせてますが「売れるのか?」「自分がお金出して欲しいと思うか?」という投げかけをします。
服は絵(アート)ではなくあくまで【着るもの】です。
実はみんながそれを実証していて、ヘビーローテーションで着る服は着心地が良い服のはずです。そこにデザイン要素を加えるとおのずと世の中に無い服が生まれてきます。それこそが本当に売れる服であり着たい服です。
服(デザイナー)が人を選ぶのではなく、【人が服を選ぶ】という事を決して忘れてはいけません。
ですので、提案したい男性像や女性像はありません。老若男女人種を問わず着て頂ける服を表現していけるブランドでありたいです。
―クリエーションにおけるインスピレーション源、コンセプトメイキングの方法は?
サブカルチャーに常に注目しています。
日本はサブカルチャーの宝庫だと感じてます。教え子の影響でボカロ(ボーカロイド)というジャンルにも興味を持ちました。この世に存在していない二次元の世界でビジネスが成り立つ不思議さと可能性を感じました。
自分の信念は大切ですが、余計なプライドやこだわりは自分の視野を狭くします。若者の声に耳を傾けると、そこにはアイデアやひらめきの種が沢山あります。
―現在の取り扱い店舗を教えてください。また、ブランドのファンはどのような人たちですか?
吉祥寺でブランドを立ち上げて間もないですが、一人一人の接客を大切にし展開してます。
お客様は3歳~60歳まで幅広いです。
―ファッションで影響を受けたブランドやデザイナー、スタイル、カルチャーは?また、その理由は?
斬新さと衝撃を与えてくれたのはVivienne Westwoodです。
彼女の前衛的な生き様にあこがれデザイナーになりたい気持ちが強まりました。最初に知ったデザイナーでもあります。ですので最初に挑戦したのはパンクファッションでした。高校は進学校で学ランだったのですが、安全ピンだらけの学ラン着てたり(笑)。
逆に、ファッションの自由さ楽しさを教えて下さったのがコシノヒロコ先生です。
自分の凝り固まったデザイン発想などが覆りました。目からウロコのような斬新な発想ばかりでとても影響されました。今でも心から尊敬してます。
私にとっては2人の偉大なデザイナーがバイブルになってます。2人とも女性ですよね。男性も負けてられないですね。
2014-15 A/Wについて
―MBFWT 2014-15 A/Wへの参加の動機は?
【産学連携】のあるべき姿を日本一のショーで発表したいと思いました。
「産」の職人達の確かな技術を、デザイナーの私が橋渡しを担い、「学」の二葉ファッションアカデミーの学生が仕上げる。2年~3年間と学校で学んで社会で使い物にならない人材を育てる「学」は必要ないです。難しい事をやらずにできる事を無駄無くやれば効率も良くなります。それは学生でもできる事なのです。これはきっかけにすぎないですが、この試みは間違いなく大いなる一歩だと思います。
―2014-15 A/Wシーズンのコンセプトやイメージを教えてください。
世の中の全ての人が分け隔てなく着ていただける服。
本当の意味での『ユニバーサルモード』を提案します。
―どのようなショーになりそうですか?
母親の様な温もりを感じられるような、とてもわかりやすいショーにします。
今後
―ブランドとしての展望を教えてください。
産学連携の言葉の意味を業界に向けて再認識させていきたいです。
表面的であったりスポットとしてのみの産学連携は産地を困らせるばかりです。本当の産地の活性化はこうあるべきだというのを、ハハというフィルターを通して少しずつですが形にしていけたらと思ってます。
TOKYOについて
―あなたにとってTOKYOとはどんな街ですか?
世界の流行の最先端の街であり、群雄割拠でもあると思います。
1年経つだけで景色はガラっと変わります。そこには必ず勝者と敗者が存在し無情を感じずにはいられません。
―東京で好きな街もしくはスポットと、その理由を教えてください。
原宿です。日本のモードをまず知るならまずは原宿を見るべきです。
本当にオシャレが好きな人や、オシャレに自信がある人が必ず集う街です。毎日がファッションショーの様な感じを与えてくれる世界に誇れる最先端の街です。
―お気に入りもしくはオススメのショップ、スポットと、その理由を教えてください。
高尾山で夏季限定で開催されるビアマウントです。
東京を山から見下ろしながら美味しい料理とビールを堪能できるという夏を満喫できる最高の場所です。そこに向かうまでに乗れるリフトは大自然の上を飛んでいる様な感覚ですよ。富士山も見えますし言う事なしです!