ハンティング・ワールド 50周年記念展「Letter from Bob Lee ―ボブ・リーからの手紙―」レポート
Mercedes-Benz Fashion Week TOKYO 2015-16 A/W会期中に、ハンティング・ワールド50周年記念展「Letter from Bob Lee ―ボブ・リーからの手紙―」が、渋谷ヒカリエで開催された。ブランド創設者であるボブ・リーにスポットを当て、彼のライフスタイルやフィロソフィーを通じてブランドの世界観を表現した本展の模様を、来場者のコメントとともにレポートする。
3月17日から19日までの3日間、渋谷ヒカリエ8F CUBE 1, 2, 3で開催されたハンティング・ワールド50周年記念展「Letter from Bob Lee ―ボブ・リーからの手紙―」は、「50 YEARS & BEYOND」というテーマのもと、ハンティング・ワールドの創設者であるロバート・M・リー(通称:ボブ・リー)に焦点を当て、彼が築いたブランドフィロソフィーを見つめ直すことに重きを置いた企画展だ。
1965年のブランド創設以来、『LIVE THE ADVENTURE』をコンセプトに、生活の中に冒険心を抱き続ける人々にメッセージを送ってきたハンティング・ワールドが、創設50周年にあたって掲げているのは、「本物」「個性」「上質」という3つのキーワードだ。ファッションブランド「SOMARTA」の活動などで知られるSOMA DESIGNが空間演出を手がけた本展では、それぞれのキーワードをテーマにした3つの部屋によって展示が構成されていた。
【Room 1】
「本物」をキーワードに、ブランド設立のきっかけにもなっているボブ・リーの旅の写真を中心に、本人の貴重なスナップや映像などを展示。さらに、ボブ・リー自身が使用した貴重なアーカイブコレクションである「バチュー オリジン」や「ウエスタンバチュー」、ブランド創設50周年記念コレクション「バチューバハティ」などが並べられ、もともと冒険家だったボブ・リー自身を体現した空間となっていた。
【Room 2】
テーマは「個性」。ハンティング・ワールドのトレードマークとして知られる素材「バチュー・クロス」を全面に使用したシグネチャーモデル「バチューサーパス」の数々が展示され、さらに伊藤忠ファッションシステム(株)・川島蓉子氏が所長を務めるifs未来研究所のディレクションのもと、groovisions、SOMA DESIGNという日本を代表する2組のクリエイターが手がけたスペシャルモデルもお披露目された。
【Room 3】
「上質」をテーマに、ボブ・リーの優れた審美眼や先見性を表現。グローブ・トロッターやコールマンなど、ハンティング・ワールドのフィロソフィーと共鳴するブランドとのコラボレーションアイテムが、ボブ・リーの冒険家以外の顔やライフスタイル伝える写真とともに展示された。
「ボブ・リーからの手紙」と題された本展だが、創設者の理念を言葉として伝えるのではなく、ブランドのフィロソフィーやものづくりの精神が込められたプロダクトそのものを通して、ボブ・リーからのメッセージが伝わってくるかのような展示は、来場者からの評判も上々だったようだ。
ブランド創立50周年を迎えた今年、ハンティング・ワールドは世界各地でさまざまなイベントを展開しており、フィレンツェの「ピッティ・ウォモ」、ラスベガスの「リバティ」など欧米の大型展示会にも出展するなど、新たなフィールドの開拓にも積極的だ。トレンドを追随する他のファッションブランドとは一線を画し、野生動物の保全や、人間と自然の共存といったメッセージを伝えてきたハンティング・ワールドは、創設者ボブ・リーのDNAを受け継ぐ者たちと共に、これからの50年に向けた新たな歩みを着実に進めている。
Report by YUKI HARADA
【Link】ハンティング・ワールド 50周年記念展「Letter from Bob Lee ―ボブ・リーからの手紙―」インタビュー 参加クリエイター・来場者コメント