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AUG. 22, 2014

インターナショナル・ウールマーク・プライズ 2014/15 アジア地区大会 レポート

ザ・ウールマーク・カンパニーが主催する国際的なファッションコンテスト「インターナショナル・ウールマーク・プライズ(The International Woolmark Prize)」のアジア地区大会がアンダーズ東京で開催された。ウィメンズ部門で中国代表・Vmajor(ヴィーメジャー)が、メンズ部門で日本代表・Sise(シセ)がそれぞれウィナーに輝いた。当日の模様を、全参加デザイナーと審査員のコメントとともに紹介する。 去る7月17日、インターナショナル・ウールマーク・プライズ(以下IWP) 2014-15アジア地区大会が東京で開催された。

 

このIWPは、ザ・ウールマーク・カンパニーの前身であるIWS国際羊毛事務局が1954年に開催し、若き日のカール・ラガーフェルドとイヴ・サンローランを発掘したことで知られる権威ある国際ファッションコンテスト。しばらくのブランクを経て、2012年に復活を遂げた同コンテストは、メリノウールの特性をファッショナブルに表現できる新世代デザイナーを対象としており、今年からは新たにメンズウエア部門が加えられた。世界各地に設けられた推薦団体から選ばれた実績ある若手デザイナーたちは、アジア、アメリカ、オーストラリア、インドおよび中東、ヨーロッパの5エリアで行われる地区大会に参加し、ウィメンズ、メンズ両部門の受賞者計9組が、2015年に北京(ウィメンズ)、ロンドン(メンズ)で開催されるファイナルに進出する。

 

東京の新ランドマーク・虎ノ門ヒルズのアンダーズ東京で開催されたアジア地区大会には、日本代表としてウィメンズ部門にAMBELL(門野文蔵氏)とmotonari ono(小野原誠氏)が、メンズ部門にSise(松井征心氏)のほか、アジア各国からウィメンズ8ブランド、メンズ4ブランドの計12ブランドが出場した。各ブランドは、計6スタイルからなるメリノウール・カプセルコレクションのスケッチと、その中から制作した1スタイルをプレゼンテーションし、国際的な認知度を誇るアジアの有名メディア、デザイナー、モデル、さらに今年からIWPのリテールパートナーとして参加する三越伊勢丹の担当者らによって審査された。

 

厳正な審査を経て、栄えあるアジア代表の座を勝ち取ったのは、ウィメンズ部門は中国代表のVmajor、メンズ部門は日本代表のSise。来年開催される本大会の参加招待状に加え、今後のコレクションに向けた制作補助費5万豪ドルを手にすることになった2組の受賞デザイナーは、当日会場に詰めかけた多くのプレスや業界関係者の前で、「この会場に来て頂いている全員の方に心より御礼を申し上げます」(ヴィクター・ジュウ/Vmajor)、「本当にビックリしています。ありがとうございました」(松井征心氏/Sise)と喜びを語った。 世界各地から集う計9組のファイナリストたちは、来年北京、ロンドンでそれぞれ開催される本大会において、10万豪ドルの優勝賞金と、イギリス・ハーベイ・ニコルズ、イタリア・ディエチ コルソコモ、中国・ジョイス、日本・伊勢丹新宿本店をはじめ、世界に名だたるリテールパートナーでの販売権をかけて戦うことになる。

 

今回のアジア大会の審査基準として、実用性や生産体制などが重視されていたように、クリエーションとビジネスを両立させたブランドの育成・支援を行う姿勢を明確に打ち出している点がIWPの大きな特徴だ。成長著しいアジアのファッションシーンを代表し、シビアな結果が求められる世界の舞台で戦うこととなる2ブランドに本大会での活躍を願うとともに、惜しくも受賞を逃した参加デザイナーたちにとっても、限定された条件のもとで服作りに取り組んだ今回の経験が、さらなる成長の糧となることを期待したい。

vmajor

Vmajor / ヴィクター・ジュウ&ニコル・リン

sise

Sise / 松井 征心

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REPORT by Yuki Harada

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