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SEP. 11, 2015

初参加ブランドアンケート|Loom Loop ルーム ループ

Loom Loop

Designer

ポリー・ホー
Polly Ho

Category

Women’s / Clothing, Accessories & Others

ブランドや服作りについて

―ファッションデザイナーを目指したきっかけと、ブランドを立ち上げた経緯を教えてください。

私のファッション業界のキャリアは私が5歳の頃、お姫様に色々な洋服を着せた絵を描くことが大好きだったことに始まります。7歳になるまでに毛布をドレスのように体に纏ったり、自分の寝室にオリジナルのブティックを作りました。絵を描く遊びは変わることなく、今でも色々な服を着せたモデルを描き続けていますが、昔と違うのは香港理工大学(PolyU)のワークショップで書いているということです。私はセントラル・イングランド大学のハンドクラフト・コースへの4年間の交換留学に参加しましたが、それは人生の休息の時間だったと思います。PolyUでのトレーニングはとても厳しかったので、大げさではなく、私にとってイギリスでの暮らしは大変心地よく本当に楽しかったです。その休息の間、私はmisa haradaのワークショップに参加し、デザイナーとして見聞を広めるようにヨーロッパ中を旅しました。
香港の商社で数年間ファッション・デザイナーとして働いた後、そろそろ自分で何かを始める時だと感じ、退職して2014年にLoom Loopを立ち上げました。
私のコンセプトは文化的遺産を守り、サステナブル・ファッションに昇華することです。

 

―ブランドのコンセプトや服作りを通して伝えたいことは?また、提案したい男性像・女性像はありますか

機織りにおいて、織機(loom)は束ねた縦糸を纏めることが基本の目的です。編み物は複雑な糸のループ(loop)をくみ上げたものが基本の構成です。Loom Loopとはテキスタイルと編み物において最も基本の要素です。私達は素材にまず着目し、付加価値をつけることによって、コレクションをよりエレガントで価値の高いものに作り上げてゆきます。職人による30回以上の工程を経て仕上がる贅沢な広東シルクの使用もコレクションのエッセンスになっています。
広東シルクの染色技術は300年以上引き継がれてきた技術です。その工程はかなり複雑です。まずヤムという植物から作られた染料で布を手染めし、芝生の上で乾かします。この作業を何度か繰り返した後、川から採取した泥を片面に塗ることによって、より色は濃く輝きが増します。泥は布を強くする作用もあります。この染色工程はとても伝統的で興味深いものがあります。布には2種類あり、ひとつは平織でもうひとつはジャカード織です。ジャカード織の工程には妥協は許されず、伝統的な古い木製の織機が今も使われています。この機織りの技術は布をより風通しよく、かすかに贅沢感を纏わせます。私達はオリジナルのジャカード織のパターンを職人と共に開発しています。

 

―クリエーションにおけるインスピレーション源、コンセプトメイキングの方法は?

私は毎日の生活の中でインスピレーションを受けます。映画を観たり、音楽を聴いたり、ギャラリーや博物館にも行きます。いつも次のコレクションのテーマを先に思いつき、それが具現化出来るか調査を行います。今シーズンのコレクションをデザインしていた時は友人に「幸福な王子」という童話を知っているかと聞かれました。私はその話をおぼろげには覚えていましたが、もう一度読み返してみて、コレクションに取り入れました。私はスケッチを描き始め、どのシルエットがコレクションを通してベストなのかを検討します。

 

―現在の取り扱い店舗を教えてください。また、ブランドのファンはどのような人たちですか?

香港のデザイナーとライフスタイルのハブとなっているPMQに自社ブティックを構えています。またパリジャン・ブティックであるOn za Boutique Parisも私達のコレクションを扱っています。ネット・ショッピング業界の中でも存在価値を高めていて、Gnossem.com(シンガポール)、notjustalabel.com(イギリス)、pinkoi.com(台湾)、Zalora.com.hk(香港)、Noveltylane.com(香港)などで取り扱っています。
私達のコレクションの客層は洗練された、ストリートでは発見できないような質の高い商品を探している方々です。

 

―ファッションで影響を受けたブランドやデザイナー、スタイル、カルチャーは?また、その理由は?

ココ・シャネルは私が好きなデザイナーの一人です。彼女は知的で洗練され、ファッションに対して素晴らしい姿勢でした。ドリス・ヴァン・ノッテンも私が憧れるデザイナーの一人です。西と東のデザインをうまく融合させている彼らのデザインが大好きです。ドリス・ヴァン・ノッテンは東洋からインスパイアされたプリントを多く使いますが、カットやシルエットは西洋です。私は香港で育ち、その後イギリスでデザインの勉強をする機会に恵まれました。その後も私はなぜ東洋と西洋の文化はこれほど違って見えるのかということを考え続けましたが、ファッションにおける両者のコンセプトは実は似ているのです。両者ともファッションを通して人々のアイデンティティを表現しているのです。しかし、西洋は体のラインを強調する傾向を持つことに対し、東洋はラインを隠そうとする傾向にあります。例えばYohji Yamamotoはルーズで何層にも重なったレイヤーが体の曲線を隠す、80年代のデザインが有名です。広東のシルク素材とその製造過程が“東洋デザイン”のコンセプトの始まりです。私達のプリント、シルエット、デザインの一部は“東洋デザイン”であり、一部は“西洋”のコンセプトを取り入れています。両者の要素を融合させることで私達のデザインが出来上がります。

 

―インスパイアを受ける座右の銘やモットーなどはありますか?

「ファッションはドレスだけではない。ファッションは空にも道にも存在する。ファッションは考え方、ファッションは生き方」
ココ・シャネル

 

2016 S/Sについて

―MBFWT 2016 S/Sへの参加の動機は?

東京はアジアにおける大変重要な国際都市であり、主要なファッション・シティのひとつでもあります。人々は洗練されていて、質の高いファッション・アイテムを求めています。また西洋のアイテムにただ惹きつけられているわけではなく、品が良く質の高いものを求めています。

 

―2016 S/Sシーズンのコンセプトやイメージを教えてください。

繊細な素材の使用は別として、私のコレクションは映画やストーリーからインスパイアされています。今回ファッション・ウィーク東京に持っていくコレクションはオスカー・ワイルド作「幸福な王子」からヒントを得ています。「幸福な王子」は現実世界では幸せを経験したことがない王子がつばめに貧しい人を助けるように頼むお話です。季節のつばめや王子にインスピレーションを受けたプリントがアクセントになっている、洗練されたデザインや控えめなパレット、繊細な細部は清潔感と一体化し、広東シルク素材のコンテンポラリー・ダッションを作り上げています。

 

―ショーもしくはインスタレーションの構想を差し支えない範囲で教えてください。

香港貿易発展局主催、「Fashion Hong Kong」にて私達のコレクションを発表します。この東京を代表するファッションイベントに参加できることは大変光栄であり、ベストを尽くします。

 

今後

―ブランドとしての展望を教えてください。

私は将来自分のブランドを世界に広め、私達の文化財であるアイテムを外国にも受け入れてもらえればと考えています。「広める」とは定期的に発注し、商品の販売と私達のアパレルに関する誇りも広めてくれる取引先を10~20抱えることです。東西融合のコンセプト以外にも、より耐久性の高いデザインを創り、汚染を減らす努力と環境に優しい布と繊維を活用して、人々に地球のことを考えてもらえればと思います。

 

TOKYOについて

―あなたにとってTOKYOとはどんな街ですか?

私にとって東京は国際都市であり、とても重要なファッションの街のひとつです。私の東京はソフィア・コッポラの「ロスト・イン・トランスレーション」の印象が強く、その映画の中で西洋人は東京に対しとても興味があり、日本人も西洋の文化にとても興味を示しています。

 

―東京で好きな街もしくはスポットと、その理由を教えてください。

私は代官山が一番好きです。代官山には数々の面白い洋服を売っている素敵なお店があり、日本の伝統的な衣装を売るブティックもあります。さらに、素敵なカフェやレストランも数多くあり、涼んだりリラックスできる、素晴らしい本屋もあります。

 

―お気に入りもしくはオススメのショップ(ファッション、インテリア、飲食などジャンル問わず)、施設、スポットなどを教えてください。

伝統的な文化を強く意識した日本のアパレルショップの「OKURA」です。ショップはとても古く美しい建物にあり、とても日本的な雰囲気を呼び起こします。また「T-SITE」も好きな場所で、ユニークにT字が建物に施され、居心地のいい書店とカフェが入っています。「モカ・カフェ」はもっとも伝統的なイエメンコーヒーを提供するカフェと言われています。オーナーは故郷のイエメンからモカコーヒーの豆を輸入しています。

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