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FEB. 21, 2014

初参加ブランドアンケート / Nur Zahra

Nur Zahra

Brand / Designer

ウィンドリ・ウィデスタ・デーリ
Windri Widiesta Dhari

Category

Women’s / Clothing, Accessories, Scarves, Head Bands and Veils

ブランドや服作りについて

―ファッションデザイナーを目指したきっかけと、ブランドを立ち上げた経緯を教えてください。

NurZahraに散りばめられた光は、私の人生と思いを表現したものです。全ては「女性が洗練されたスタイルに身を包み、厳格で柔軟性に乏しい従来のイスラムスタイルからファッションへの憧れを解放する方法を提供する」という思いから始まりました。

私自身、5年前にヒジャーブ(ムスリム女性が着用する頭や身体を覆う衣服)を身に着けると決めたものの、ムスリム向けのカジュアルなファッションがあまりないことにフラストレーションを感じていました。ヒジャーブは選択肢が少ないだけでなく、素材も重く、着こなしも新鮮味に欠けていて単調です。そのため、一般的なブランドからヒジャーブとしても着用できるような、ゆったりしていて長さのあるアイテムを身に着けることにしました。これをきっかけにマレー半島から中東、さらにはトルコやエジプトのファッションからインスピレーションを受けたアイテムにも手を伸ばすようになりました。

―ブランドのコンセプトや服作りを通して伝えたいことは?また、提案したい男性像・女性像はありますか

このブランドでは色々な物を幅広く手掛けています。主にヒジャーブを着ている方向けのベーシックなアイテムを取り揃えていますが、対象を限定しているわけではありません。販売市場をヒジャーブになじみのない地域へと広げ、着心地がよく、あらゆるシーンで着用できる洋服を提供することで、女性服における慎ましさというものを多くの方に知ってほしいと思っています。
まわりにインスピレーションを与えられる存在になるべく、対象をムスリムではない地域に住むファッションが好きな方々にも広げています。NurZahraには「ユニバーサル」の魂が宿っています。もともとは肌を隠さねばならないムスリム女性を対象にしていたため、NurZahraのアイテムは、まっすぐ、ゆったり、長い、の3つを特徴としています。伝統的なムスリムのシルエットでありながらも、NurZahraの洋服は現代的で上品、かつ洗練されたデザインとなっています。また、NurZahraは着心地の良さも重視しており、軽く、風通しが良くて、誰でも着こなせるようなシンプルな洋服を提供しています。
イスラム芸術や幾何学的デザインに見られる豊かで美しい柄も取り入れています。「しぼり」と呼ばれる染色技術(日本独特の絞り染め)を用いて染色した生地で洋服を作っており、この染色技術でできた柄にインドネシア伝統のバティックを組み合わせました。コレクションにバティックっぽさを少し入れる、という決断はNurZahraにとって難しいものではありませんでした。なぜなら、バティックはインドネシアで受け継がれてきた伝統を象徴するものだからです。NurZahraのバティックは、ジャワの地方都市に住む女性の高い技術によって作られているもので、彼女たちの思いを伝えるものでもあります。

プレミアムブランドと位置付けられているNurZahraでは、高い技術を持つ職人を採用するだけでなく、素材にも最高級のものを使用しています。全ての洋服に軽くて通気性の良いオーガニック綿ボイルを使って着心地の良さを追求する一方、高級スカーフにシルククレープを用いています。さらに、オーガニック製品を使い、環境保護にも取り組んでいます。NurZahraのシグネチャーコレクションに使われている染料は全て植物由来のものです。ダークブルーはインディゴ(tarum)から。優しく暖かみのある黄色はヤエヤマアオキを煮出したもの。くすんだ緑はマホガニーの幹から採ったものです。こうした努力により、環境に配慮しながらバティックを作ることができるだけでなく、全ての商品が限定品であるためプレミア感があります。

20代半ばから40代半ばのヒジャーブが初めての女性、すでにヒジャーブを着ているけれどシンプルで着心地がよく、かつ洗練されたデザインを求める女性、慎ましさと着心地の良さが一番だけれど、同時にオシャレかつモダンでいたいアクティブな女性の願いを叶えるべく尽力しています。ターゲットは、中流~富裕層で都市圏に住んでおり、ファッション雑誌を読んで最新のファッショントレンドに敏感な都会の女性、あるいは国際的な女性です。こういった内面的要因はソーシャルメディアによく現れるものですが、これはつまり、社会的、環境的に、現実世界では一歩踏み出すことができないことの現れです。NurZahraは、着心地のよいオシャレなファッションアイテムを提供し、数多くのスタイルを通じて上品なものを身につけてもらうことで、こういった洋服に対するジレンマの解決策になれればと思っています。この思いは、レーベルのキャッチフレーズである「シックに身を纏い、意識を高く(be chic, covered and conscious)」に表れています。

―クリエーションにおけるインスピレーション源、コンセプトメイキングの方法は?

インスピレーションはタグライン(be chic, covered and conscious)に象徴されています。NurZahraに秘められたメッセージである「ユニバーサルデザイン」、つまりモダンで洗練されていて、環境にも優しい洋服を作りたいとの思いをきっかけにデザインを始めました。これらの点は、ファッションファン一人一人はもちろん、自分自身を覆う衣服を身につけるムスリムの女性に対しても当てはまることです。NurZahraの「ユニバーサル」の精神は、ムスリムのファッションデザイナーが取り入れることは、まずない東欧のスタイルを採用しているところからも感じていただけると思います。
また、ブランド名の「NuZahra」は、アラビア語の「光(Nur)」と「きらめき(Zahra)」からきています。「Zahra」は、ムハンマド(イスラム教の開祖および預言者)の娘であり、ムスリムの象徴ともいえる女性ファティマ(女性が見習うべき理想の女性)にもちなんでいます。

あらゆるデザインもプリントも自然やイスラム芸術からインスピレーションを得て生まれたもので、先ほど述べた「光」と「きらめき」を具現化したものです。従って、全てのアイテムが、それを身に付けた女性を光輝かせるようなものでなくてはなりません。

NurZahraは最高級ファッションブランドとして、材料とプロセスは環境に悪影響を及ぼさないものとすることを一貫して心がけています。Nur Zahraのモダンでシンプル、上品なデザインは肌を隠さねばならないムスリムの女性たちだけでなく、ムスリム以外のファッションが好きな女性たちからも愛されています。

―現在の取り扱い店舗を教えてください。また、ブランドのファンはどのような人たちですか?

インドネシア国内の取扱店舗:
ジャカルタ:Pondok Indah Mall、Pacific Place、Gandaria City。
SoloとMakasarにも出店予定です。

マレーシア、クアラルンプールの取扱店舗
EILIYA Boutique
No 9176, Jalan Negara, Taman Melawati, 53100, Selangor, Malaysia.
電話:03-41012024
info@eiliya.com

NurZahraの顧客:中流~富裕層で都市圏に住んでおり、ファッション雑誌を読んで最新のファッショントレンドに敏感な都会の、あるいは国際的な女性。ソーシャルメディアを活用しており、社会的・環境的に現状から一歩踏み出せずにいる女性。

―ファッションで影響を受けたブランドやデザイナー、スタイル、カルチャーは?また、その理由は?

Giorgio Armani、 Max Mara、 Valentino、 Haider Ackermannからは多くのインスピレーションを得ています。シンプルでオシャレなものだけでなく、世界各地のエスニックな柄も大好きなので、世界中の文化から大きな影響を受けています。

2014-15 A/Wについて

―MBFWT 2014-15 A/Wへの参加の動機は?

バティックとしぼりを用いたデザインと柄は、多くの人に受け入れてもらえると思ったことと、MBFWTに参加することで、このブランドを世界に知ってもらうきっかけになると思ったからです。世界の人々に、慎ましいデザインは普遍的で、モダン、シンプル、上品などどんなデザインにも昇華でき、肌を隠さねばならないムスリム女性はもちろん、ムスリム以外のファッションが好きな女性たちからも気に入ってもらえると知ってもらいたいです。

―2014-15 A/Wシーズンのコンセプトやイメージを教えてください。

タイトルは「幾重にも重なった忠誠」。現実とデジタルの対比がAW2014のテーマとなっています。
レイヤーはこれから身につける洋服の可能性を表現しています。この「忠誠」というテーマの中で誠実さと優美な美徳を表現しながら、都会の女性たちをさらに惹きつけるため、粗野で現実的な感じも出しました。

―どのようなショーになりそうですか?

NurZahraの2014年秋冬コレクションは、現代の人々は心の奥に隠された現実主義的な考えをどのように追求していくのか、という点から発想を得ていて、現実世界とデジタル世界の狭間にあるぼんやりとしたギャップの素晴らしさを称えるものです。

現実のアイデアと、デジタルが現実をバラバラにしていく様を表現したものを展示する予定です。

今後

―ブランドとしての展望を教えてください。

市場をさらに広げ、世界のファッション市場へと展開していきたいと思っています。アジアとヨーロッパでの流通チャネルを拡大します。

TOKYOについて

―あなたにとってTOKYOとはどんな街ですか?

活気に満ちあふれた、モダンで文化の豊かなまち。インスピレーションをもらえる場所です。

―東京で好きな街もしくはスポットと、その理由を教えてください。

竹下通り。ファッションのお店がたくさんあって、いろんなアイデアをもらえるから。

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