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SEP. 10, 2015

WAW! 2015 | ブース出展レポート・「ピクチャードレス」山本亜須香さんインタビュー

山本亜須香さん(中央)と、モデルのNAOMIさん(フォリオ所属)(左)、MIRAIさん(ジュネス所属)(協力:JMAA)

Mercedes-Benz Fashion Week TOKYO 2016 S/Sキービジュアルも紹介

「ピクチャードレス」の展示。手前2点が千總、奥から2点目がチームラボ、一番奥がフガハムとのコラボレーション商品

海外からの来場者に「ピクチャードレス」について説明する山本さん

去る8月28・29日に「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム(World Assembly for Women in Tokyo, 略称:WAW! 2015)」(主催:日本国政府)が都内で開催され、JFWOと一般社団法人日本モデルエージェンシー協会(JMAA)、「Picture Dress(ピクチャードレス)」「FUGAHUM(フガハム)」デザイナーの山本亜須香さんとのコラボレーションで、クール・ジャパンブースを出展しました。

クール・ジャパンブースでは、山本さんが展開している着物のパターンをヒントにしたブランド「Picture Dress(ピクチャードレス)」を、JMAAの協力により登場したモデル2名が着用するというインスタレーション形式にて紹介し、国内外多くの来場者に注目されました。
「ピクチャードレス」デザイナーの山本亜須香さんにお話をお伺いしましたので、ご紹介致します。

「Picture Dress(ピクチャードレス)」デザイナー山本亜須香さん
インタビュー

「ピクチャードレス」を立ち上げた経緯を教えて下さい。
西洋的な服の作りは立体的なパターンで構成されているのですが、どうしても無駄な生地(残布)が出てしまいます。その「“無駄な生地”を出さないで服を作れないか」と考えていた時に、着物が合理的に作られていることに気付いたんです。一定の生地幅しか使わないという効率の良さだけでなく、平面で置いたら正方形なのに着用したらドレスという面白さもあります。スカーフを2枚組み合わせたような非常にシンプルな構造に、ウエスト部分にベルトとなる紐を通して、最小限の生地・縫製が特徴で、正方形の生地の中で目一杯グラフィックを載せられるので、色々な作家さんと組めるという点でも広がりを感じています。2013年に立ち上げ、現在は千總やJAXA、故寺山修司さんなどとコラボレーションし、40種類程のデザインがあります。プリントはセーレン株式会社さんと協業しています。

海外の方の関心も引きそうですね。
千總とのコラボドレスは、千總オリジナルの古典柄をもとに「ピクチャードレス」用にデザインしてプリントしていますが、「アフリカン・フェア 2013」に出展させていただいた際、大変好評でした。どんなプリントでも載せられることがこのドレスの特長のひとつですが、例えば、アフリカの民族独自の柄をプリントしたら、新しい民族衣装として現代の人にも広められると思います。すでに、インドネシアのブランド「Ria Miranda」とコラボレーションしたり、サウジアラビア向けに肌を露出しないロングタイプのドレスを製作しました。生地の大きさや縦横比を変えれば、人種、体型などを問わず、どんな人でも着られるため、これからも国境を越えてさまざまな方々と取り組んでいきたいと思っています。

このシンポジウムは「『女性が輝く社会』を実現する」ということがコンセプトです。本日は生後9ヶ月のお子さんとご一緒ですが、お子さんが生まれてから仕事との向き合い方など変わったことはありますか。
出産前と比べると、仕事含め自分の時間がかなり限られてしまうため、わずかな時間でできるだけやりたいことをやろうと、時間の濃密さを高めるようにしています。これまで仕事にあてていた時間を100とした場合、今は10、20程度といったところでしょうか。時間に制限ができたことによって、ファッションとの向き合い方が変わってきていて、全国の大学や専門学校で教えたり、ファッッション軸のワークショップやセミナーの講師をしたり、ファッションに興味がある人たちに向けて発信してきましたが、これからは福祉施設(作業所)で何かできないかと、coromozaの徳永啓太くんとともに動いています。例えば、真っ白のピクチャードレスを、絵が得意な障害者の方にデザインしてもらうとか。これまでは、デザイナーとして自分が考えていたことをとにかく表現するために吐き出したかったし、そこに一生懸命でしたが、今は違う分野へと活動の幅を広げたいと思うようになりました。子供向けのワークショップもやってみたいですね。真っ白のピクチャードレスに好きなようにドローイングして、自分だけのピクチャードレスをつくれたらきっと楽しいと思います。

山本さんは「フガハム」のメンバーでもありますが、今後の活動予定について教えて下さい。
「フガハム」は2006年からプロジェクトという位置づけで、三嶋章義と外所一石と私の3名で活動していますが、年2回のコレクション発表は休止しています。7年間定期的に、主に展示会形式でコレクションを発表してきましたが、マーケットのスケジュールにしばられてしまうとどうしてもルーティン化してしまい、継続することが果たして良いことなのかと考えた結果です。これまでのファッションのルールにしばられず、時代のムードや消費者の気分、デザイナーのその時の思いなどによって、フレキシブルに活動することが今の時代に合っているのではないかと思っています。コレクション発表はお休みしていますが、プロジェクトチームとして3人個々の活動をしつつも、つながっていて、一緒にできることがあったらフガハムとしてチームでやろう、というスタンスでいます。最近では、舞台「死刑執行中脱獄進行中」(原作:荒木飛呂彦/主演:森山未來)の衣装やキービジュアル制作や舞台美術に関わったり、個人では「ハローキティのあそぼうBRAVO!」という子供向けのミュージカの衣装を手がけています。異業種との取り組みも行っていますので、こちらの活動にもご注目いただけたら嬉しいです。

 

【参考】
「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム
(World Assembly for Women in Tokyo, 略称:WAW! 2015)」

安倍政権の最重要課題の一つである「女性が輝く社会」を実現するための取組の一環として開催され、世界各国及び日本各地から女性分野で活躍するトップ・リーダーが出席し、日本及び世界における女性の活躍促進のための取組について議論を行うシンポジウムとして開催されました。

「WAW! 2015」について、詳しくは外務省のホームページをご覧ください。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/hr_ha/page22_001825.html

クール・ジャパンのFacebookでもレポートが掲載されているますので、こちらもご覧ください。
https://www.facebook.com/meti.cooljapan

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