ギャラリー・ラファイエット(メンズバイヤー) エリック・ペシュ
MBFWT 2014-15 A/W 招聘バイヤーインタビュー vol.1
Galeries Lafayette
Eric Pech
[ URL ] Galeries Lafayette ギャラリー・ラファイエット
パリ・オペラ座界隈に位置し、世界中から多くの人々が訪れるフランスの老舗百貨店「Galeries Lafayette(ギャラリー・ラファイエット)」。そのメンズバイヤーを務めるエリック・ペシュ氏が、Mercedes-Benz Fashion Week TOKYO 2014-15 A/W会期中に、JETROの招聘によって来日した。ラグジュアリーからコンテンポラリーまで、圧倒的なブランドラインナップを誇るヨーロッパ最大規模の百貨店のバイヤーの目に、日本のファッションや国内ブランドのクリエイションはどのように映ったのだろうか。ペシュ氏にお話を伺った。
来日は今回で何回目ですか。
実は今回が初めてです。日本を訪れたことがある多くの仕事仲間たちから前向きな感想を聞いていたので、JETROからの招聘が決まった時はとてもうれしかったです。日本の文化には以前からとても興味を持っていましたが、実際に来てみると、東京の街は非常にエネルギッシュですし、人々は礼儀正しく、丁寧に対応して頂いています。短い滞在にも関わらず、多くのブランド、デザイナーの方々と交流を持つことができ、非常に密度が濃いものになっていますし、皆さんにお時間を割いて頂いたことにとても感謝しています。今回は仕事ですのでスケジュールがタイトな部分もありますが、次回はゆっくりと時間を取って、日本の文化にもっと触れてみたいと考えているところです。
エリックさんが働いているギャラリー・ラファイエットについて簡単にご紹介頂けますか。
ギャラリー・ラファイエットは、100年以上の歴史を持つフランス・パリに本店を持つ老舗百貨店です。パリ以外にも国内に60店舗あり、非常に幅広い商品を扱っていることが特徴で、パリの歴史的な建築物や美術館と同じように、世界中から多くの観光客の方が訪れています。
エリックさんはどのようなお仕事をされているのですか。
メンズのデザイナーズブランド、ラグジュアリーブランドのバイイングをしています。また、アクセサリーなどの小物やポップアップストアの担当も兼ねています。会社の経営層と共に担当する市場の販売方針を作成し、その後、各ブランドが選択した製品をシーズン中お客様に披露していくことが私の仕事です。そのほかにもブランドのスペシャルコラボレーションや独占販売に携わることもあります。
バイイングの際に大切にしているポイントを教えて下さい。
常に、お客様にご紹介できる新たな製品やブランドを探しています。最高におしゃれで、かつ独創性と実用性のバランスがとれたアイテムを店舗で提供したいと考えています。ほとんどのファッションフェアには足を運び、ファッションウィークにもほぼ全て出席しています。雑誌やブログ、ソーシャルネットワークで情報収集も行っています。次のトレンドをキャッチするために、今どこで何が起こっているか、常に目を光らせています。
近年のパリをはじめヨーロッパのファッションマーケットやクリエイションには、どのような動きがありますか。
市場で目立っている動きとしては、DNAやそのサヴォアフェール、つまり匠の技といった精神を「ライフスタイル」として広いグローバルな視点で捉えつつ、製品の中にうまく表現しているブランドの躍進です。
来日してから東京の街はいくつか回られましたか。
はい。原宿や渋谷、表参道、代官山、中目黒などに行きました。しかし全てを見て回るには短すぎる滞在時間でした!
セレクトショップなどについては、何かヨーロッパとの違いは感じられましたか。
表参道にあるGYRE(ジャイル)は、ファッションとインテリア、食品、アートが大変うまく融合された楽しい場所でした。JOURNAL STANDARD(ジャーナルスタンダード)にも刺激を受けました。
日本のストリートファッションについてはどんな感想を持たれましたか。
最初に受けた印象は、非常にカラフルなファッションもあれば非常にダークなファッションもあるということでした。日本のファッショニスタの着こなし方はとてもいいと思います。
ショーをいくつかご覧になられたと思いますが、何か感じられたことはありますか。
ショーは6つ見ましたが、それ以外にも12か所以上のショールームを訪れ、フェアも1つ見ました。非常に過密なスケジュールでしたが、良い刺激を受けました。
日本のブランドのクリエイションについてはいかがでしょうか。
日本には素晴らしいデザイナーがたくさんいます。今シーズンの大きなトレンドはゆったりとしたオーバーサイズのシルエットと、技のあるファブリック、紫の色使いでしたが、日本のデザイナーたちは、このトレンドをうまく取り入れていました。
サイズや価格、デリバリーなど、日本のブランドが海外に出て行く際に障害になる要素がいくつかありますが、日本ブランドに対して何か求めることはありますか。
近年は、アジアからも若いデザイナーたちが多くパリにやって来て活躍していますし、これまで日本で出会ったクリエイターたちも、ヨーロッパ市場に十分に適応できる方たちばかりでした。また、全体的な傾向として、日本への関心も非常に強いため、市場を開拓していけるのではないかと思っています。
日本ブランドに求めることという点では、日本ブランドはLサイズまでしか用意していないブランドが多いため、その点がヨーロッパ向けには少し難しい気がしています。