秋元 剛 Go Akimoto
AKIMOTO Inc. ディレクター
第58代横綱千代の富士の長男。
日本発インターナショナルファッションマガジン "commons&sense” の広告営業&編集を経て、都内セレクトショップのディレクターとして活動した後、現在は亡き父の功績を後世に伝えるべく、千代の富士に関わる様々な企画・運営を行うAKIMOTO Inc.を2018年4月に家族と共に設立。
また、ファッション業界でもPRやCasting、Fashion Stylingなどマルチに活動中。
2023年2月20日、旧九重部屋跡地に "ちゃんこ 千代の富士" をオープン。
[ Website ] https://chiyonofuji.co.jp/
[ Instagram ] https://www.instagram.com/go_akimoto/
日本・海外を代表するファッショニスタが注目ルックなどをレコメンドする「DEGITAL VOICE RECOMMEND」に参画し、毎シーズンのファッション・ウィーク東京を熱くチェックしている秋元剛氏。PR、ディレクター、起業家とマルチに活躍されている秋元氏が開催を間近に控えた23AWシーズンに向けて感じていること、楽しみにしていることについてインタビューした。
ファッション・ウィーク東京をいつ頃からチェックされていましたか?
仕事としてチェックするようになったのはコモンズ&センスに在籍していた頃からですが、高校生の時に20471120の復活ショーを拝見してから東コレを意識するようになりました。
現在の「ファッション・ウィーク東京」について、どのような印象をお持ちでしょうか?
コロナを境に、面白くなってきたという印象を個人的に持っています。若手というよりは、経験を重ねて力をつけてきた、自分と同世代のデザイナーたちの存在に盛り上がりを感じていますね。従来の東京ブランドらしい正統派なポジションから、個性が確立された上で見せ方、世界観がしっかり構築できているブランドが増えているように思います。
3月13日からスタートする23AWシーズンでは、参加58ブランド中43ブランドがフィジカルショーで発表します。フィジカルなショーが多く戻ってきたことについてはいかがでしょうか?
デジタル配信がスタートしたタイミングは、ファッション・ウィーク東京のターニングポイントになりましたよね。服作りと映像制作は全く別物なので制作経験が少ないブランドが多い中、デジタルが中心のシーズンではファッションの見せ方にブランドでバラつきがあったと感じています。ここ数シーズンでフィジカルなショーが戻ってきてランウェイを見た時に、映像はあくまで表現の1コンテンツに過ぎず、洋服を見せるという意味ではショーが最も適しているなと再認識しました。きっとデザイナーも同じことを感じてますよね。映像制作よりも莫大な費用がかかるランウェイショーですが、その分さらに良いものにしたいという気概がブランドからも感じられますね。
これまでご覧になられたショーで印象に残っているブランドはありますか?
PRを手伝っていることもあり、忖度にもなるんですが、、、22AWの「YOKE」です。完成度の高いクリエイションをチームでどんどん更新していて、ルック、スタイリング含めて見せ方のクオリティが高かった。同シーズンの「tanakadaisuke」も、フィジカルでしか体験できない演出でとても良かったですね。儚くてロマンティック、ダークなテンションのあるブランドが爆音のBGMでモデルがスピーディーに円形のランウェイを縦横無尽に駆け巡る様は、ブランドの良さにダイナミックさがプラスされていて、すごく印象的なショーでした。23SSだと「kudos /sudok」の合同ショーもメッセージ性やピュアなムード、面白さを感じて良かったですね。
あと、衝撃を受けたのは22AWの「TOGA」のby Rショー。デジタル配信の映像としてもTOGAはダントツに見せ方が上手だったと思っているのですが、ショーを見てからTOGAの洋服を良く買うようになりました!環境的に制約があるスペースオーで、ブランドの世界観をしっかり形成できていたショーで本当に感動しました。僕が学生時代からずっとitなブランドですが、自分が着るという意味では手が伸びてなかったのに、ショーを見て着たいと思うようになりましたね。
次の23AWシーズンで発表を楽しみにされているブランドはありますか?
デザイナーの熱量もよく知っていることもあり、業界でも着用者が多く、デザイン性の高いピースが得意な「INSCRIRE」の初めてのショーが楽しみです。あとは2回目のショーとなる「FETICO」。前回はショーを見れず展示会にだけお邪魔した「ablankpage」もどんなショーになるのか期待しています。海外のインディペンデントなブランドも好きなので、「Maison J. Simone」も気になりますね。「VIVIANO」「TOMO KOIZUMI」もデザイナーを良く知っていますので見逃せません。あとは世代なのでby R「TAKAHIROMIYASHITAThesoloist.」も注目しています。
今後のファッション・ウィーク東京について期待されていることがあれば聞かせてください。
本当に良いブランドが増えていて今のファッション・ウィーク東京は面白いと思うので、このポジティブなムードをファッション・ウィークに携わる方々がさらに盛り上げ、業界全体に伝搬させていけたらいいなと思います。僕自身は洋服が大好きなのでデザイナーに対して並々ならぬリスペクトがありますし、洋服1着が出来上がるまでには莫大な手間と時間、想いが込められていて、その洋服を発表する場であるので、もっと特別な場所であってほしい。 また、東京って、どんなファッションも許容していて、どんなスタイルでも歩ける場所。そんな東京のファッション・ウィークは、いつもだったら躊躇するけど、この時期だったら派手な服、主張の強いファッションを楽しめる、そんな風に思ってもらえるイベントになったら嬉しいですね。
■DIGITAL VOICE_RECOMMENDATION
今シーズンも新たな顔ぶれを加え、日本・海外で活躍するファッションジャーナリスト、エディター、バイヤー達がRakuten Fashion Week TOKYO 2023 A/Wで発表したブランドの見所、注目のアイテム、モデル等をレコメンドします。