Interview & Report

向井 太一 Taichi Mukai

向井 太一 Taichi Mukai

シンガーソングライター

1992年生まれ、福岡出身のシンガーソングライター。
自身のルーツであるブラックミュージックをベースに、ジャンルを超えた楽曲で各媒体・リスナーから高い支持を得る。2017年11月に1st アルバム「BLUE」でTOY’S FACTORY / MIYA TERRACEからメジャーデビュー。有名アーティストへの楽曲提供や人気音楽番組「関ジャム 完全燃SHOW」への出演、また楽曲のみならずSHIBUYA TSUTAYAからリリースしたTOUR BOOK「SAVAGE BOOK」はヤフーショッピングの本・書籍・エンターテイメント部門にて売上1位を獲得するなど活躍の幅を広げている。2022年4月13日にはテレビ朝日系全国放送「BREAK OUT」5月度オープニングトラック「99’feat.CrazyBoy」を配信リリース。

Rakuten Fashion Week TOKYO 2023S/S シーズンムービーに向けて、楽曲を提供したシンガーソングライター向井太一。様々なデザイナーと親交があり、アーティスト活動においても自身でスタイリングを手がけるほど大のファッション好きな彼に今回の楽曲「Fun!」に込めた想いと自身のファッション観について話を伺った。

Rakuten Fashion Week TOKYOへ楽曲提供が決まったときの率直なお気持ちを教えてください。

まず、すごく嬉しかったですね。アーティスト活動する際も、直接ブランドとやりとりしたり、私物をコーディネートに取り込んだりとセルフスタイリングで表現するほど僕の中でファッションは情熱を注いでいるものなので、今回このような形でファッションに関わることが出来たのは光栄でした。

「Fun!」の楽曲作りは、どのような意識で取り組まれたのでしょうか?

今回に限らずですが、多様な文化や要素が複雑に織り混ざった状態が今の日本、東京の姿だと思っているので、音楽を作る上でも何かに固執するのではなく多様なジャンルの要素をミックスすることを意識しています。今回はキャッチーでポップな楽曲という明確なテーマがあったので、メロディのトップラインを作る際もそこは強く意識し、自分らしさのある楽曲に仕上がりました。歌詞にもファッションをリンクさせる言葉を織り込んでいます。

今回の楽曲を通して伝えたいことはありますか?

僕自身の音楽はニッチとポップの中間に位置しているように思っていて、東京のファッションのあり方に近いような感覚があります。自分の持つファッションへの愛情と、音楽が持つキャッチーさ、ポップさなど多様な要素を感じてもらえたらいいなと。自由であることの楽しさを感じて欲しいですね。

楽曲と共に配信するムービーについて、どのような印象を持たれましたか?

ファッションの楽しさが伝わるような明るい色使いが印象的で、ワクワクできる映像ですよね。僕が手がけてきたこれまでの楽曲で、ハッピーな世界観を持つものはそんなに多くなかったので、今回のコラボレーションに新しさを感じています。

 

向井さんにとって、「ファッション」はどのような意味を持っていますか?

僕にとっては、ファッションは「鎧」に近い感覚です。着心地よりも、身に付けることで自分自身が高揚したり強くなれたり、ワクワクできたりすることを重視していますね。プライベートでも自分のスタイルはどんどん変わっていて、カジュアルもモードも何でも自由に着ていますよ。アクセサリーも好きですし、ステラマッカートニーなどウィメンズアイテムを着ることもあります。
デビュー当時から自分の音楽と打ち出しているヴィジュアルにはギャップがあるとよく言われるんです。小さい時からファッションが大好きで、音楽ではヒップホップやR&Bが好きだったのですが、ストリートカルチャーやB—BOY的な要素をファッションとしては取り入れたことがなくて。高校生の時も、ゴリゴリのヒップホップを聴きながら、ヒール履いていたりしました。

好きなファッションテイストと音楽ジャンルは近い関係にあることが一般的なように思いますが、向井さんにとって相関関係はないのですね。

ストリーミング配信で世界中の多様なジャンル、楽曲に誰もが触れられる今だと、音楽とファッションはリンクしていない人も増えているかもしれません。僕自身は、昔からとにかくありのままいつも好きなものを着ていました。軸になる自分自身を大事にしたいという感覚ですね。ジャンルや音色は違えど、伝えたいメッセージを枠に囚われずに届ける。ファッションでも、音楽でも、柔軟であること、そして、ぶれないことを大切にしたいと思っています。

注目されているファッションブランドはありますか

これまで実はあまりドメスティックブランドを着ていなかったのですが、最近はブランドの方との付き合いも増えてきてチェックするようになりました。直接は見ていないのですが、前回ショーをされていたYOKEはそのアート性や色使いが、自分が持っていたドメスティックのイメージとは違う要素がありとても好きでした。

Rakuten Fashion Week TOKYOに関してはどのようなイメージを持っていますか?

ジェンダーもそうだし、垣根がなくなって発想が自由になっていますよね。コロナ禍でステイホームということもあり一時期はリアルクローズで溢れていたのが、「これこそがファッションだ!」という喜びが爆発するような洋服も出てきて。前回ショーを見せていただいたTOMO KOIZUMIを好きなのもまさにその点で、TOMOさんの洋服はファンタジーな要素がありコスチュームに近い。僕が持つファッションに対する熱量と通じるものを感じます。クリエイションが響いてくるというか。
今回も出来たらショー見に行きたいですね。ライブで見るのは全然違うので。背筋が伸びるような感じが楽しい。現場の雰囲気、空気感を肌で感じていたい。その刺激が自分の音楽にも繋がっていくんです。

コレクション参加ブランドのピースを着用してスナップ撮影も今回させていただきましたが、着用されてみていかがでしたか?

スタイリングにとても自由さがありました。普段自分が着用するものとはテイストも違って、とても新鮮で楽しかったですね。
スナップ撮影した写真はRakutenFWTの公式Instagramなどでアップされていくと思うので、こちらも是非楽しみにしていてください。

では、最後にファンの皆さんへ、Rakuten Fashion Week TOKYOを楽しみにされている皆さんへメッセージをお願いします。

Rakuten Fashion Week TOKYOというファッションの祭典で楽曲を発表できるのは自分のキャリアにとっても大きなきっかけになりました。この楽曲が皆さんがファッションをより楽しむきっかけになり、音楽がファッションを楽しむ手助けになったら嬉しいですね。

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