DRESSEDUNDRESSED ドレスドアンドレスド

Designer

北澤 武志
Takeshi Kitazawa

Category

Men’s & Women’s / Ready To Wear, Accessories, Bags, Shoes and others

ブランドや服作りについて

―ファッションデザイナーを目指したきっかけと、ブランドを立ち上げた経緯を教えてください。

Martin Margiela氏が、自身の作品を購入してくださった出来事がデザイナーを目指す一つのきっかけを与えてくれました。私に勇気と希望を与えてくださったことに大変感謝をしております。

―ブランドのコンセプトや服作りを通して伝えたいことは？また、提案したい男性像・女性像はありますか？

DRESSEDUNDRESSEDとは「服を着る、服を脱ぐ 」という意。
相反する要素を融合し制約のない境界線を探求し続けています。私はファッションデザイナーとして衣服を仕立てることによって外面(目に映る)の美しさの一端を担う職業をしています。しかし、内面(目に映らない)にある美しさを信じるひとりです。私の作品では肌を見せる、あるいは隠すことは外面と内面、着ると脱ぐという比喩的な役割と相互関係を意味しています。衣服は身体なしでは成り立たないし、身体は衣服なしでは成り立たない部分もあるでしょう。その相互関係に関心があるのです。
大切なことは目に見えないものを見ること。理解できないことを議論するのではなく、理解することを諦めない姿勢が重要だと思います。性別、国籍、年齢、権利、時間、人種、世界から偏見や差別が無くなることを願っています。

―現在の取り扱い店舗を教えてください。また、ブランドのファンはどのような人たちですか？

DRESSEDUNDRESSEDは不定期開催の期間限定ショップを重要視しています。期間限定ショップでは私自身も含む、コレクションに携わるブランドメンバーから直接的なデザイン解説やスタイリング提案によって、DRESSEDUNDRESSEDとお客さまとのつながりや交流を生み出します。

―ファッションで影響を受けたブランドやデザイナー、スタイル、カルチャーは？また、その理由は？

多くの人を尊敬し、多くの作品から影響を受けています。そのため、特定のブランド、デザイナー、スタイル、カルチャーを選ぶことは私にとって簡単なことではありません。

2024 A/Wについて

―どういった経緯でオンラインでのコレクション発表を決めたのでしょうか。

ファッションは必要か？
思い返すと、ランウェイデビューさせていただいた2012年秋冬コレクションから、新型コロナウィルス感染症 (COVID-19) 拡大の影響を受け、無観客でのショーを発表した2020-2021年秋冬コレクションまでの8年間、ランウェイでのコレクションを継続し発表してまいりました。新型コロナウィルス感染症を期に、ロシア ウクライナ軍事侵攻、パレスチナ・イスラエル戦争と、ファッションは必要か？という問いを繰り返すようになりました。2022年春夏コレクションからの映像作品を通し、ランウェイとはまた違うファッションの提示方法は私にとって新たなファッションの可能性のありかたを気づかせてくれました。”目に見えないものを見ることの大切さ”が少しだけ気づけたように思うのです。

―2024 A/Wシーズンのコンセプトやイメージを教えてください。

“Rêverie”
「夢」

―今シーズンのコレクション発表の中で是非見ていただきたいポイント等あればお願いいたします。

私自身の見た夢を使用したコレクション。
私自身の見た夢を使用するということは、どうしても私は私自身の心の内幕を他人の目に、自分が好ましいと思った以上に、ファッションデザイナーであるところの任務と考えられる以上にさらけだ出さなければならないこととなる。すくなくとも夢の営みに対し、思考の自由を拒まれないであろうことを期待し希望するのみである。

今後

―ブランドとしての展望を教えてください。

これからもきっと私はファッションデザイナーとして生きていくでしょう。しかし、ファッションという枠組みで私自身に区別をしたくない。私達は同じ人であり、同じ考えを持つ様々な人たち、美術家、音楽家、化学者、文学者、、、様々な人たちと共感し、喜び合うこと。その感覚が私にとって重要なことなのです。