ハリー 杉山 Harry Sugiyama タレント、MC
AmazonFWT 2019 A/W オフィシャルアンバサダー
1985年東京都生まれ。11歳で英国に移住。高校卒業後、日本でM&Aコンサル会社に勤務しながらモデルとして活動。その後、ロンドン大学、北京師範大学留学を経て、日本でタレント活動を再開。父は元ニューヨーク・タイムズ東京支局長・アジア総支局長。日本語、英語、中国語、フランス語の4ヶ国語を話せるマルチリンガル。現在はCX『ノンストップ!』、Eテレ『おもてなしの基礎英語』、NHK『どーも、NHK』、J-WAVE『POP OF THE WORLD』などにレギュラー出演中。
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タレントのハリー杉山さんがAmazonFWTオフィシャルアンバサダーとして3シーズン連続で就任。多忙なスケジュールの合間を縫って5本のショーに来場した。今シーズンのショーのレビューと日本のファッションブランドについて感じていること、さらに今後の活動について伺った。
2019 A/W レビュー
FUKUSHIMA PRIDE by JUNKO KOSHINO フクシマ プライド バイ ジュンコ コシノ
[日時]2019年3月18日(月)18:00 [会場] 表参道ヒルズ 本館 B3F スペース オー
ジュンコさんのショーはアグレッシブなジュンコさんらしさが必ず溢れてます。今回もお馴染みのエレクトロミュージックが健在でした。「震災」と「福島」をテーマにした「フクシマ プライド」としてのコレクション発表は今回3回目で、ファッションを通して社会的なメッセージを伝えるということは毎シーズンされていることですが、今回は特に、日本人にとってファッションや素材とは何か、“日本人の良さは何か?”と再確認できるショーでした。今回のような意義のあるプロジェクトを“ファッション”という形で発表された様子を見て、ファッションがいかに人の心を動かすことができるのかを感じました。ジュンコさんのように影響力のある方が発信することが重要です。フィナーレでジュンコさんが客席にいた福島県知事をランウェイに上げるシーンがあり、そういったジュンコさんの粋な計らいもほっこりさせつつ観客の心を動かしました。
[日時]2019年3月19日(火)21:00 [会場] 渋谷ヒカリエ ヒカリエホール A
昨シーズン、ANREALAGEは15年の歴史を振り返るショーを行い、今シーズンのショーでは、ブランドとして新しい扉を開いたイメージを持ちました。ディテールへのこだわり、つまりさりげなく繊細な服作りの美しさを提案していたり、表現のインパクトはギミックを超越していると思いました。3mもある巨大なトルソーを天井から吊るし、その下をモデルたちが歩く。演出に惑わされず、ちゃんと着たいと思わせる服が続々と登場しているところがさすがだなと感じました。
[日時]2019年3月20日(水)19:45 [会場] 渋谷ヒカリエ ヒカリエホール B
会場では観ることができませんでしたが、映像で見ただけでもぶっ飛びました。聖歌隊の演出は、デザイナーの吉田くんのカトリックのバックグラウンドを感じさせるもの。彼が今思う「かっこいい」をすべてぶつけてきたショーだと思いました。「かっこいいって何?」「個性とは?」「個性は信じるもの?頼るべきもの?そもそも個性は必要なの?」、「個性は絶対的に必要!」という彼の中の自問自答からの答えを表していたのではないでしょうか。高いピンヒールとパワーショルダーというスタイリングでもそれが伝わってきました。会場には彼を慕い憧れる若いファッションキッズの学生たちがたくさん詰めかけて、すごい熱気だったと聞きました。KEISUKEYOSHIDAの展示会も関係者に限っていないところも素晴らしいですし、彼らしいと思います。
[日時]2019年3月21日(木・祝)19:30 [会場] SHIBUYA TSUTAYA屋上
すべてが斬新。パリのショーも観ましたが、まったく違うものでしたね。デザイナーの クリステルさんは川久保玲さん(「コムデギャルソン」創始者)をリスペクトし、日本のストリートファッションもよく知っていて、日本への思いを強く持っています。今回のショーは何より、SHIBUYA TSUTAYA屋上という会場選定が画期的で、その根底には彼女の日本への思いがあるのではないかと思っています。 前回の原宿通りでのショーもそうでしたが、起用したモデルは6割以上がストリートでスカウトしているそうで、非常に若者のパワーも感じました。世界中のサッカーチームのユニの超絶カスタムが欲しくて欲しくて!(笑)
MUZE ミューズ
PRDX PARADOX TOKYO ピーアールディーエックス パラドックス トーキョー
[日時]2019年3月21日(木・祝)21:00 [会場] 渋谷ヒカリエ ヒカリエホール A
前半のPRDX PARADOX TOKYOのボディビルダーの方々のパフォーマンスにとにかく圧倒されました(笑)。コレクションはスポーツ感覚があって、パラアスリートの方もモデルとして登場されていて、今という時代を感じました。MUZEでもテリー伊藤さんやマチュアなモデルを起用していて、「ファッションは誰でも楽しめるもの」ということが伝わってきました。スタイリングとしても、スポーツとクラシックエレガントを合わせることは非常に難しいのですが、うまく提案されていたと感じました。
今後の活動について
念願叶って、秋に舞台に出演します。お稽古が8月で、上演は9月の予定です。
20世紀のアメリカ文学を代表するテネシー・ウィリアムズの作品で、彼は三島由紀夫をこよなく愛し、三島由紀夫に捧げたと言われている作品です。3人芝居で、僕は三島由紀夫をイメージした役柄を演じます。テーマは「死生観」。長いモノローグもあり、ディープでリアルな作品です。自分がどうしてもこの作品に出演したかった理由は、三島由紀夫さんと新聞記者だった父が知り合いだったというご縁と、最近、「生と死」に直面したこともあります。先日、家族にとって恩師のような方が急逝されたという連絡を受けた直後に、友人から妊娠したという報告を受けました。人間にとって永遠のテーマである「生と死」を同時に突き付けられて、後悔なく生きていこうと改めて心に誓い、この舞台に挑戦したいと思いました。
ファッション、音楽、スポーツは自分のホームグラウンドだと思っていますが、舞台という馴染みのない環境に身を投じることによって新たな自分との出会いになると思っています。ファッションショーも舞台も似ている気がしていて、共に人々に夢を与え、夢は現実にすることができるんだよ、ということを伝えてくれるものだと思っています。
Interview by JFWO