藤田 宏行 Hiroyuki Fujita JieDa(ジエダ)
TOKYO FASHION AWARD 2019受賞デザイナー
JieDaは2007年に藤田宏行によって設立。デザイナー藤田宏行は1979年島根県生まれ。約10年間ファッション業界で経験を積み、2007年に自身のブランド「JieDa」を立ち上げました。同年、島根県にセレクトショップ「KIKUNOBU」をオープンし、現在は東京、大阪、島根と3店舗に成長しています。
2016年 ファッションサイト「Highsnobiety」にて今後の注目ブランドとしピックアップ
2018年 TOKYO FASHION AWARDを受賞
[ Website ] http://jieda.jp/
[ Instagram ] https://www.instagram.com/jieda/
[ Twitter ] https://twitter.com/jieda_official
[ Facebook ] https://www.facebook.com/JieDa-416342975223274/
2007年にデザイナー藤田宏行によって設立された JieDa(ジエダ)は、セレクトショップのMD的視点を盛り込んでスタートし、ユースカルチャーを背景に独自の世界観を表現、オリジナリティのあるスタイルを提案してきた。
2018年にTOKYO FASHION AWARDを受賞し、2019 A/ Wシーズンではブランド初のランウェイショーを開催、大きく注目された。東京、大阪、島根のセレクトショップ3店舗のオーナーでもあり、常にファッションの未来を追い続けている藤田氏に、ブランドのこれまで、これからについて、話を伺った。
まず、ブランドを立ち上げるまでの経緯を教えてください。
2007年に、私の地元である島根でセレクトショップ「菊信」を始めるのと同時にJieDaを立ち上げました。ファッションブランドのデザインをするというより、ショップとして何があったら良いのかという視点でものづくりを行い、Tシャツ、スラックス、ジャケットなど10型から始めたブランドです。
立ち上げ以前に働いていた大阪のセレクトショップ時代の繋がりもあり、自店舗だけでなく、同時に卸もスタートしています。2007年から2009年にかけて、全国の大手ショップから多くの注文が入りました。
ブランド設立から現在に至るまでの間に、ターニングポイントはありましたか?
国内でのビジネスが飽和し、海外を目指していくと決めた2014年頃がターニングポイントにあたるかもしれません。2014年は菊信として、島根、大阪に次ぐ3店舗目を東京にオープンした年で、会社としては売上が厳しい頃でした。国内ビジネスが苦戦している状況で、それを打破するためにJieDaとして海外展開を目指すと決め、生産スタッフを新しく迎え入れ、服作りを見直しました。パリのスケジュールに合わせてものづくりを行うことにより、パリでのショーを見た後の展開ではなく、同時期に展開することで、純粋にJieDaの強みである独特のバランス感、シルエットに基づいたコレクションを展開し続けることができ、ブランドとしての売上も知名度も上がってきたと思います。
毎シーズンのテーマはどのように決めていますか?
今まで自身が経験したことや、いま興味があること、例えば旅行や音楽など、その時の気分から作りたいアイテムが生まれて、それらがつながってテーマになっていくイメージです。
TOKYO FASHION AWARD 2019の受賞デザイナーとして、2シーズンにわたって「PITTI UOMO」への出展とパリでのショールーム、さらに東京でのランウェイショーも経験するなど、ブランドとして次のステージに進んでいますが、今後の展望についてお聞かせください。
現状、ブランド全体の海外売上は1割程度ですが、今後は国内と海外で半々くらいまで持っていきたいと考えています。現在、海外では香港、台湾、上海などアジア圏10店舗でお取り扱いがありますが、TOKYO FASHION AWARDのサポートによるショールームと弊社が2018 A/Wシーズンより独自で契約しているショールームそれぞれを活用して、欧州でのアカウント獲得につなげたいと思っています。そのためには、世界的に注目されるキーショップでまず取り扱いをスタートしてもらうことが大切だと考えています。
先日発表されました2020 S/Sコレクションについて、海外バイヤーからの反応はいかがでしたか?
2020 S/Sコレクションは、「STONE」をテーマに、市場での売りやマーケティング観点を敢えて無視して、自分が着たいと思うもの、テーマに沿った直感的なものづくりを行いました。島根のメノウを使用したアイテムもあります。ブランドとしては原点回帰したデザインとなりましたが、会場ではとても反応が良かったように思います。海外バイヤーは、ブランドの核となるアイテムやアイコン的な強いピースを求めているので、発色や色使いにこだわったコレクションが評価されました。
TOKYO FASHION AWARDの凱旋イベントも、大トリで圧巻のプレゼンテーションでしたね!
東京のファッション・ウィークでの凱旋イベントがJieDaにとって初めてのランウェイショーとなりました。展示会後の実施であったため、受注を取っていくビジネス的な観点ではなく、「見せる」ことに注力したショーで、お客さまからもバイヤー、プレスの方々からも反応が非常に良く、本当にやって良かったと思っています。
TOKYO FASHION AWARD受賞前から、2019 A/Wシーズンのコレクションについては、ショーを行うつもりで事前に準備を進めてきましたが、少数のスタッフでやっているブランドとしてはスケジュール面が正直大変でした。しかし、ショーを行えたことは非常に達成感がありましたし、世界的にも、特にアジア圏で知名度が上がり、問い合わせも増えました。今後も海外で行うことを念頭にショーの実施を検討していきたいと思っています。
Interview by Tomoko Kawasaki
Photography by Yohey Goto(インタビュー撮影)