Interview & Report

コッキ KHOKI

コッキ KHOKI コッキ

KHOKI Designer

東京を拠点とするデザインチーム、KHOKI(コッキ)。
様々なラグジュアリーブランドにて経験を積んだメンバーによって、2019年に立ち上げたKHOKIは、「人の手が見えるモノづくり」を設立当初からコンセプトとして掲げ、多種多様な文化や伝統的技法を折衷する事によって生まれるモダンな姿勢と、どこかほっとする雰囲気を大切にしています。
彼らが着目するキルトやカンタ、スザニといった伝統的な手法だけで無く、カレッジスウェットといったカジュアル服をカーディガンに仕立て直すといった脱構築的手法を、得意なカッティング技術、コラージュ技術を用い、新たなカジュアルアイテムへとアップデートします。
また、KHOKIのウェブサイト「EYE」にてメンバーそれぞれの私物を公開/販売する事により、彼らが何に影響を受けて物作りをしているのかを表現し、消費者との新しい消費活動を模索しています。

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デザインチームによる製作で「人の手が見えるモノづくり」をコンセプトに、2019年よりスタートした「KHOKI」。確かなクラフトマンシップにより温かみを感じる洋服でありながら、どこかアヴァンギャルドで不完全な要素もあり、着る人を纏う自由、楽しさを与えてくれる、そんな注目すべきブランドのひとつだ。23AWシーズンには東京で初めてのランウェイショーを開催し、初めての海外ショールームへの参加も経験した。飛ぶ鳥を落とす勢いすら感じる彼らに、ブランドのこれまで、そしてこれからについて話を伺った。

謎に包まれた印象を持っている方も多いかと思いますが、まずはブランドの成り立ちについて聞かせてください。

KHOKIは、複数人から成るデザインチームで2019年から始め、2022年に法人化しブランドとして本格的なスタートを切りました。商業的なモノづくりではなく自分たちが好きだと思うモノを友人たちと作りプライベートな展示会を開きたいという考えから始めたんです。設立当時メンバーは皆それぞれが会社に属しアパレルに携わっていたので、メンバーの経歴やプロフィールを明かさなかったという背景がありましたが、今となってはもはや誰かの顔を立てる必要性を感じていないためプロフィールを公開していません。属人的なモノづくりではなく、チームとしてモノづくりをしていくことに意味があると思っています。

ブランドを始動されてからの展開、成長がとても早いですよね。

自分たちとしてはビジネスのためのモノづくりではないと思っていたのですが、クチコミでバイヤーさんが展示会に続々と来ていただけるようになって。KHOKIはビジネスとして成立するという可能性をチーム皆が感じたので法人化し、今に至っています。最初は作れるキャパシティも少なくて7、8型で絵とか売っていたようなカオスな感じでしたが、22年のタイミングでようやくバイヤーさんに満足してもらえる構成でラインナップを用意できるようになりました。その段階でTFAの審査に参加し受賞できることになり、ショー発表、海外展開とその後ノンストップで動いているような状況です。ブランド立ち上げから今までのスピード感は本当に早くて自分たちも驚いています。

チームとしてはどのように製作を進めていますか?

役割分担として、ディレクター、パタンナー、生産管理などがありますが、細かな製作に関してはチームでディスカッションして進めています。 KHOKIはスタートした当初から、「人の手が見えるモノづくり」をコンセプトに掲げていて、クラフトマンシップにどう向き合うかという姿勢を全ての洋服に込めています。私たちは古いものに対して魅力を感じることが多くて、その要素をどうモダンにアップデートできるかという点をいつもディスカッションしていますね。各人の価値観は異なるんですが、それでも共通して好きな要素があったりして、それぞれの好きを知って共通化し、すり合わせた結果のクリエイションになっていると思います。洋服を商材として捉えるのではなく、自分たちや友人たちが着たいモノを作っていく、等身大なモノづくりを続ける。このプロセスや感覚がKHOKIとしてチームでやっていて面白いなと思う点ですね。

チームだからできるモノづくりがブランドの大きな魅力に繋がっていますね。

私たちのアイコニックなアイテムで、ここ3シーズンくらい継続しているアメリカンキルトを使用したモノがあるのですが、これ自体はメンバーの背景に由来しています。小さい頃から身の回りにあったキルトを深掘りしてみたいというメンバーの思想にチームが共感し、ヴィンテージキルトの調達から始まり、自社背景でのオリジナルのキルト作りにまで繋がっています。

アノニマスな世界観でありながらも、チームが抱えている背景や思想が自社のECサイト「Eye」にもリアルに反映されているように感じました。

プロフィールを公開していない分、どういう人たちがどういう目線で洋服を作っているのか見えづらいと思います。その部分を透明化できたらなとECサイトを立ち上げ、私たちの目線にあるものを洋服と共に販売することでポートフォリオのような存在に出来たらと考えています。私たちが普段目にしているモノを情報として公開するのではなく、1点モノとして買えることを大事にしていて、サイトを見てくださる方と近い距離感になれたらと思っています。

3月の楽天ファッション・ウィーク東京で開催されたランウェイショーには、どのような意識で臨みましたか?

初めてのショーでしたがまずはいつも通りのテンション、意識下でコレクションを製作することに注力しました。ショーに関しては、作り上げたコレクションを初めてのショーとしてどう面白くするかということを考え、チームで共有しやすいテーマとして「ファンタジー」を掲げ、KHOKIの洋服を着る不思議な住人たちという世界観を作り上げました。

初めてのショーの反響はいかがでしたか?

ショー終了後から海外メディア、スタイリストからの問い合わせが増え、今までリーチ出来なかった層まで届き、反響はとても大きかったですね!このチームでこの短期間に、あのようなショーを作り上げられたことは大きな自信にもなりました。その反面、24SSシーズンも含めてこれからのコレクションを、どのようなクリエイションで表現、発表していくべきかが課題になるなとも感じましたね。

今後も、東京での発表続けていくご予定でしょうか?

今後も東京で発表してみたいと思いますが、私たち世代のブランドは、従来型のファッションビジネスのやり方とは違う方法で進んでいると思っているんです。コレクションを作って、東京でショーをして、パリに拠点を移してその発表を継続していくという、王道な手法を選ぶというイメージがない。とはいえ、こうしたモードの王道的な手法を完全に手放した訳ではなく、今の時代に合った新しくて面白い表現方法、戦い方を歩みながらも、伝統的なファッションビジネスにも近づいていく。どちらのスタイルも楽しめて、どちらも認められるのが、今の時代のクールなところだと思っています。

ブランドとして今後の展望も聞かせてください。

日本発のデザインチームとして海外で展開しているブランドってないと思うので、そういうブランドになれたらと思っています。また、東京でショーを経験したことで、地に足をつけたセールスの重要性にも気づきましたし、海外でもショーをやってみたいと思っています。そのためには、チーム力を高めてKHOKIの魅力を高めて成長することが重要だと考えていますね。 ビジネス面では、お取引先様は国内が現状26アカウント、海外が24SSで6アカウントになります。海外へのデリバリーは23AWシーズンからなので、まずはこのシーズンの消化率を高めるべきだと捉えています。

Interview by Tomoko Kawasaki
Photography by Daichi Saito

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