Interview & Report

小髙 真理 Mari Odaka

小髙 真理 Mari Odaka malamute(マラミュート)

malamute Designer

埼玉県生まれ。2011年文化ファッション大学院大学卒業。ニットデザイナーとして経験を積んだ後、2014A/Wよりmalamuteスタート。

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ニットに特化したブランドとして2014秋冬コレクションからブランドをスタートし、昨年TOKYO FASHION AWARD 2022を受賞したmalamute。ニットの持つ柔らかいイメージに、生産背景との密なコミュニケーションから生まれる精緻なクラフトマンシップが加わり、コレクションごとに力強さが増している。海外への展開も始まり、今後の活躍が期待されるブランドについて、デザイナーの小髙真理氏に話を伺った。

ブランドをスタートされて今年で9年目となりましたが、本日に至るまでにターニングポイントはありましたか?

ファッション・ウィーク東京のオフスケジュールになるのですが、ブランドとして初めて単独で行った2020春夏コレクションのライウェイショーです。ニットに特化していることは変わらないのですが、型数を増やして、布帛表現の幅を広げ、ニットブランドとしてではなく、ニットに特化したファッションブランドに成長できたタイミングだったと捉えています。

小髙さんにとって、ニットの魅力とは?

ニットは糸を選ぶところから始まり、イチから表情を作ることができて、多様なテクスチャー表現ができることが一番の魅力だと思っています。

ランウェイショーはブランドにとって、大きな意味を持つものですか?

そうですね、ブランドのイメージを直接伝えることが出来る一つの手段だと考えています。音楽、空間など、洋服そのものではない、会場の雰囲気を通してブランドの世界観を強く感じてもらえる場ですよね。

TOKYO FASHION AWARD 2022を受賞されて開催された3月のランウェイショーは、いかがでしたか?

コロナ禍を経て、コロナとどう共存していくのかをファッションショーで表現したいなとずっと考えていたタイミングのショーでした。テーマは「out of action」とし、行動の外側に意識を向けて提案しました。コロナ禍中は、malamuteも自宅で快適に過ごせる、扱いやすい洋服を提案していたのですが、もっと外に向かうものとしてファッションはあるべきだなと考え、ランウェイでモデルが歩くという動作が伴ってファッションを提案できたことはブランドの発信として強いものになったと感じています。ショー会場にはバルーンをたくさん並べて、一直線に歩くのではなく、バルーンの間をどう歩くかという思考を巡らせ、モデルが見え隠れすることによって注意を惹くことが出来るような、試行錯誤を楽しめる演出としました。洋服にもジップでスリットを調節できたり、2way、3wayで着用できる可変性を加えて、着てくださる方が気分によって着方を考えることができるようなコレクションに仕上げました。
実際に観てくださった方も、malamuteらしい世界観だったと皆さん言ってくださって満足しています。ショー前に展示会は終わっていたのですが、ショーを観たバイヤーさんが追加でオーダーしてくださったりもして。コロナで規制があるので仕方ないですが、欲を言えば、もっとたくさんの方に会場でご覧いただけたら良かったと思います。

2022 A/Wコレクション

malamuteのニットをリメイクするサービスもスタートされていますが、どういった狙いがあるのでしょうか?

コロナ禍で職人さんと製作工程を見直したいという話をしていて、編んだ糸を解いてまた編み立てることは究極のリユースだという話になって。使い果たされたアイテムを解いて、全く別のものに編み直したら面白いという発想からスタートし、malamuteのホールガーメントのアイテムに限りますが、過去のmalamuteのニットウェアからバッグ、マフラーに編み替えるRe:bornプロジェクトが生まれました。手間はかかりますが、職人さんも面白がってやってくださっています。受け取られたお客さまも「あー!こうなるのか!」とテンションを上げてくださいます(笑)ホールガーメントという無縫製のニットならではのプロジェクトではないかと考えています。

9月にはパリでショールームを経験されました。初めての海外セールスはいかがでしたか?

これまで海外卸はしたことがなくて、国内ベースでずっとやってきたので、たくさんの気づきがありましたね。様々な国の方がコレクションに触れてくださって、海外の方が求める女性像やスタイリングイメージを掴むこともできましたし、面でブランドを構成できるほどアクセサリー含めてトータルでセレクトしてくれたミラノのお店と出会えたりと、malamuteのニット表現は強みになることもわかりました。韓国、香港などアジア圏含めて気にしてくださる方々も多いので、海外へ引き続きコンタクトを取って、コレクションを見てもらえるようにしたいと考えています。

海外展開を進めるにあたり、ブランドとして意識することはありますか?

バカンスを含めたドレスシーン、オケージョンへの対応を考えなくてはと思っています。サイズについても検討が必要だと考えています。

国内の取引状況も教えてください。

国内の卸先も増えていて、現在30アカウント程度です。ニットに特化したブランドとしてトータルで提案できるようになった20春夏から増えてきました。malamute独自の多様なニット表現に国内のバイヤーさん方も驚いてくださって、職人さんたちのクラフトマンシップの秀逸さに共感していただいているように感じています。

今後、どのようなことに挑戦していきたいですか?

コレクションで強いピースを増やして、ブランドイメージを確立させたいです。海外セールスを伸ばし、パリでまずはプレゼンテーションが出来たらと思っています。また、malamuteは日本のクラフトマンシップの強みを体現しているブランドとして認識してもらえるようなブランドになれたらとも思っていて。国内の職人さんたちや生産背景を海外に認知してもらえるプラットフォームにブランドがなれるようなことも考えています。
デザイナーとしては、シューズやバックなどにも挑戦してブランドの強度を上げていきたい。建築など、ファッション以外の分野とのコラボレーションにも興味を持っています。

TOKYO FASHION AWARD のプログラムに参加したことは、ブランドにとってどのような経験になりましたか?

TOKYO FASHION AWARD 2022を受賞したことでブランドとしてステップアップが出来たと実感していて、海外展開に向けて着実な動きが取れるようになったことを感謝しています。国内でもAWARDをきっかけに取引先が増え、ブランドの認知も広がりました。

TOKYO FASHION AWARDの応募を考えている方へ一言お願いします。

海外展開を考えている方にとって、とてもポジティブなアワードです。また同世代のデザイナーや、いろいろな方々との出会いがあるところも魅力です。

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