Interview & Report

松井 征心 Seishin Matsui

松井 征心 Seishin Matsui SISE(シセ)

SISE Designer

2010 東京コレクションデビュー
2011 mugamiyahara × sise「辿-ten-」発表 
     2012春夏コレクションの宮原夢画によるイメージムービー
     「SENSATION-夏の感触」渋谷シネマライズにて上映
2014 INTERNATIONAL WOOLMARK PRIZE日本代表としてアジア地区優勝(本大会出場)
     第11回ベストデビュタント賞 ファッション部門 受賞
2016 韓国KOLON SPORTとデザイン契約 ブランド名 KOLON+SEISHIN がスタート
     BOBSON コラボレーション WHEIR Bobson ファーストシーズンデザイン
2017 映画『ジョジョの奇妙な冒険』映画衣装製作デザイン
2018 東京ファッションウィーク show出演
2020 PUBG MOBILE JAPAN LEAGUE SEASON 0 ユニフォームデザイン24チーム

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3年ぶりにRakuten Fashion Week TOKYOへ参加し、2022SSシーズンの発表をオンライン配信にて行うSISE。ブランド立ち上げから10年の節目を迎え、これまでのブランドイメージを刷新した新しいSISEの姿を2022SSシーズンで私たちは目の当たりにすることになるという。ブランドのファンのみならず、バイヤー、業界関係者からも大きな注目を集めることになるだろう、その発表を間近に控えた現在の心境をデザイナー松井征心氏に聞いた。

現在のビジネス概況についてまず教えてください。

現在は国内のアカウント数が25程度でビジネスは安定しています。コロナの影響もビジネス面に関しては今のところありませんが、どこにも行けない状況で気持ちの切り替えが上手く出来ないことや不穏な空気感が無意識のうちにクリエイションに影響してしまっているなとは感じています。

2020年でブランドスタートされて10年の節目を迎えられましたね。何か心境の変化はありましたか?

マークスタイラーからの傘下入り、独立や韓国のスポーツブランドとデザイン契約、他ブランドのクリエイティブサポートなど、様々な経験をしてきて、いい意味でも悪い意味でもブランドをこなせるようになってきていました。コレクションを発表しても、発表後の反応が想像できていました。そんな中で、ふと「自分のブランドとは?何をしたくてブランドを立ち上げたのか?」という気持ちが生まれて。デザインするって、ブランドをやるって、もっと大変なことだったはずと。ゼロからブランドをスタートする気持ちに立ち返ろうと取り組んで制作したものが今度発表する22SSシーズンで、これまでとは全く違うSISEを発表することになります。

大きなターニングポイントを経た、新しいSISEのコレクションになるのですね!

はい、もう一度ゼロからSISEを育てていくつもりで自分と向き合った、これまでとは全く違うデザインに取り組みました。賛否両論あると思いますが、色々な反応が出て来ることを覚悟しています。ブランドのファンやバイヤーの皆さん、これまで長くSISEを見てきてくれた方々が驚いてくれて、これからのSISEがどうなっていくのか楽しみにしてもらえたら本当に嬉しいですね。

22SSコレクションのテーマについても教えてください。

コレクションのテーマは「drawing」です。ケアフリーで、自由気ままに線を描くイメージでコレクションを作りました。洋服じゃないような洋服もありますし、素材、色の選定など含めて、制作にとても時間をかけて作り上げました。デザインを描くことを楽しんで、クリエイションの過程を楽しんだアイテムに仕上がっています。

bed_j.w._ford

Rakuten Fashion Week TOKYOではオンライン配信での発表ですが、どのような形式で発表されるのでしょうか?

描くことをテーマにしたコレクションに合わせて、ペイントアーティストの佐々木香菜子さんとフォトグラファーの植村忠透さんとコラボレーションした映像で発表します。ペインティングと洋服が融合された映像と後日公開するルックをクロスオーバーさせながらご覧いただけたらと思います。 これまではルックも自分でディレクションしていましたが、SISEという新しいブランドの見せ方の模索として今回は僕自身が全くタッチせず、Them magazineのエディター、新井順一氏にモデル、スタイリスト、フォトグラファーの選定全て制作を任せています。自分のフィルターを外したら、SISEというブランドがどういう風に見えるのか、とても仕上がりが楽しみなんです。今回ランウェイショーでの発表を選択しなかったことも、自分のフィルターを外してみようと思ったからです。

どんな発表になるのか、とても期待が高まりますね!今回3年半ぶりにRakuten Fashion Week TOKYOへ参加を決められた理由は何だったのでしょうか?

ブランドをゼロから育て直すと決めたときに、次のコレクションではファッションウィークに参加しようと決めました。SISEを始めたときにファッションウィークに参加することは夢のひとつでしたし、その気持ちに立ち返る意味もあります。 今、ブランドによって発表する会期がバラバラで、1年中どこかで誰かが発表しているような状態ですよね。SISEもファッションウィークとは関係ない形で一時期発表していましたが、果たしてそれでいいのかなと。ビジネスが安定しているからと個で活動していくことを是とするよりも、東京、日本のファッションに身を置かなくてはいけないんじゃないかなと思ったんです。あと、会期が8月に早まったことも、参加を決める上で大きかったですね。今後については、世の中的な動きを見ながら形式は検討しますが、継続して参加していきたいと考えています。

ブランドとして、デザイナーとして今後の展望を教えてください。

立て直しを図っているところなので、ブランドとしての今後に具体的なイメージがあるわけではないのですが、、、これからファッションを志す若い世代の人達に届くブランドでありたいと思っています。ビジネスとしては、クリエイション面と合わせてPR、セールスの体制も組み直しており、基盤を作っているところです。デザイナーとしては、デザインの仕事を真っ当に楽しくできるデザイナーでありたいと思っています。 本当にここからまた始まるブランドとして、いろいろなことにワクワクしていますし、これからの発表が僕自身も楽しみで仕方がないですね。

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