INFORMATION 03/22/2025

Rakuten Fashion Week TOKYO 2025 A/W 3/21(金)速報

Rakuten Fashion Week TOKYO 2025 A/W 3/21(金)速報

「Rakuten Fashion Week TOKYO(Rakuten FWT)2025 A/W」(主催:一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構 (JFWO))は、本日5日目を迎えました。前日夜に行われたブランドも含め、5日目ハイライトをレポートします。

  • 3/20(木)に発表されたブランド –

BASICKS(ベイシックス)」(19:00~)秩父宮ラグビー場

日常に埋もれがちな基本的なデザインや服、気付かずにそこにあるものに焦点を当て、少しだけアレンジを加えることで「ベーシック」に改めて光を当てました。今季のテーマは色の表現方法を意味する「CMYK2020」。様々な色=要素が混じり合うことで唯一無二の色へとマッシュアップしていく様子を示しています。会場で配られたリリースは「ファッションの無限を表現したい」という言葉で締めくくられています。
肩紐は二重にしたり、途中で止めてみたり。ジャージはベロアを使いほんのり肩を膨らませることでエレガントに仕上げたり。

襟の後ろに紐を通すことで前掛けのように着られるシャツや、フロントにポケットやパッチがきて前後逆になっているジーンズなど、見慣れているけど新しい服。もし街中ですれ違ったら、2秒後に振り向いて確かめてしまう。そんな小さな違和感と存在感を放つ服です。
LAの刺繍にBASICKSを象徴するハートマークが添えられたニューエラのキャップ、スタンドカラーのペンドルトンのシャツ、えんじ色のジャージやラストを飾ったリーボックのドレスなど、コラボレーションも多数登場。ショーミュージックはデザイナーの森川氏が15年前に初めてランウェイを行った時と同じく、シガー・ロスの楽曲をオーケストラで生演奏しました。森川氏は会期2日目に開催されたHUMMEL 00に続き、2ブランド目となるランウェイでした。

YOUJIYOUNG(ユ・ジヨン)」(20:30~)TODAホール&カンファレンス東京 ホールB

YOUJIYOUNGは韓国で2002年にスタートしたブランド。ソウルファッションウィークや上海ファッションウィークにも参加経験があります。今季のテーマは「温故知新」。古いものを取り入れながらも新しいものを生み出していく、そうした思いが込められています。
ランウェイはモデルの妖艶なダンスからスタート。ほとんどのルックがグレーやブラックで構成され、大胆なラッフルやリボン、フェザーなどを使いつつも、落ち着いた大人の優美さを感じさせます。韓国人のシニアモデルも多数起用し、年齢を超えたスタイルを提案しました。

HATRA(ハトラ)」(21:00~)TODAホール&カンファレンス東京 ホールA

TOKYO FASHION AWARD 2025を受賞したHATRAがブランドとして初となるランウェイを開催しました。会場は今季後半の公式会場であるTODAホール&カンファレンス東京 ホールA。開始前にはホワイエから溢れるほどの観客が集まり、注目度の高さが伺えました。
テーマは「WALKER」。衣服が物理的に、または意味的に揺れることについての考えを軸にコレクションを制作。肌の上にそのままプリントを乗せたようなシアー素材のドレスは、モデルが歩くたびに絶え間なく表情を変えていきます。
デザイナーの長見氏が「瞬き」と呼ぶこの非連続的な変化は、ブランドのシグネチャーにもなっている「生成AI」と、ファッションの関係性についても言及できるでしょう。永遠に終わりも正解もなく、対話することによってのみ前進・進化していく。生成AIから見たファッションデザイン、またはその逆。どちらの視点も獲得することで、改めてファッションデザインというものに出会い直したといいます。
ショーが終わり会場が暗転すると長い拍手と歓声に包まれ、しばらくの間席を立つ人はいませんでした。長年HATRAを取材しているジャーナリストは「ようやく時代がHATRAに追いついてきたのかもしれない」と感慨深そうに囲み取材を聞いていました。

–  本日3/21(金)に発表されたブランド  –

WIZZARD(ウィザード)」(11:00~)オンライン発表

“RE-MIXING” をコンセプトとし、レイヤードやドッキングのテクニックを主軸に再構築されたアイテムを展開するWIZZARD。今季は「Unforgettable Feeling(忘れられない感覚)」をテーマに、“記憶に残るもの”、“残すべきもの” に焦点を当て、「残像」というキーワードをコレクションを通じて表現しました。積み重なっていく記憶は、服のシワやフリンジのディテールなどに現れています。アーティストの富樫幹とコラボレートたグラフィックにも注目。

©courtesy of brand

HIDESIGN(ハイドサイン)」(12:00~)SYNERGYCA

©courtesy of brand

HIDESIGNは住友化学本社にある「SYNERGYCA 共創ラウンジ」にてプレゼンテーションを行いました。チーフデザイナーの吉井秀雄氏がモデルを用いながら実際に機能を説明する、ブランド独自のスタイルは今シーズンも継続。先シーズンから続く「ブルーカラー」をテーマに、過酷な環境で働く肉体労働者の身体を守る、多種多様な機能性ウェアを提案しました。従来のファンをより小型・軽量・小音化しタウンユースしやすくなった空調服、歩く時に膝周りの生地に負荷がかからない立体シルエットのパンツ、住友化学が開発した温調樹脂「コンフォーマ®」を用いた繊維を活用した、25〜35℃の快適な温度を保つ調温服、洗濯・取り外し可能なバッテリー式のヒートシートを内蔵したウェアの4ジャンルが発表されました。これから地球環境はますます過酷になることが予想される中、HIDESIGNは長年培ってきたワークウェアの知見を科学やIT技術をクロスオーバーさせ、人類のためのコンフォートウェアを提案してきます。

TELMA(テルマ)」(13:30~)TODAホール&カンファレンス東京 ホールB

JFW NEXT BRAND AWARD 2025を受賞したTELMAが2回目となるショーを開催しました。ブランドの代名詞である手の込んだ美しいテキスタイル、色使いに溢れたファーストショーとは一転、重厚感のあるブラック&シルバーのルック群からスタート。まるで夜が深まり、そして明けていくかのようにグレーやシルバー、ラベンダーといった色味が広がっていきます。コレクションを通して象徴的に輝いていたのはプリントや刺繍で表現された様々な星。通行人はいないのに誰に訴えかけるわけでもなく輝くショーウィンドウなど、仕事からの帰り道に感じた、東京の夜の街から得られる独特の高揚感をさまざまなテキスタイルで表現しました。
虎のような動物柄のレースは、日本で唯一リバーレースを生産している大阪の工場とともに作ったもの。
アントワープの学生時代にお世話になった工場で、運命的な出会いがあり再び協業することができたそう。フューシャピンクのジャケットに合わせた流れ星のようなレースは桐生のレース工場とともに何度も施策を重ねながら制作した、今季を象徴するようなテキスタイルです。
東京のファッションシーンの新星であるTELMA。ランウェイのちのインタビューでは、「日本の豊かな感性や素晴らしい技術を、TELMAなりの表現で世界に伝えていきたい」と語りました。デザイナー中島氏の瞳はものづくりを熱く語る時、一層と輝いているのです。

RIV NOBUHIKO(リブ ノブヒコ)」(14:00~)TODAホール&カンファレンス東京 ホールA

TOKYO FASHION AWARD 2025を受賞したRIV NOBUHIKOがブランドとして初となるランウェイを開催しました。RIV NOBUHIKOは、小浜伸彦氏とリバー ガラム ジャン氏が二人で手がけるブランド。両者ともビッグメゾンでの経験があり、あたたかみのあるクチュールライクなものづくりがブランドの根幹にあります。今季のテーマはリバー氏の母親の苗字である“LEE”。彼女をミューズに、現代を生きる女性の強さと繊細さの二面性を描きます。小さい頃は強い女性に見えた母親も、いざ自分がその年齢に近づくと「意外と大人じゃなかったのかもしれない。繊細で、少女性を持ったまま」なのだと気がついたのだそう。
ブランドのシグネチャーである折り紙のようなフラワーモチーフは茎がリボン状になり、歩くたびにゆらゆらと揺れ動きます。
もう一つのアイコンであるビーズ刺繍はボーダーのシャツをキュッとつまむように施され、カジュアルな装いのさりげないアクセントに。これらのハンドクラフトは、子育てや介護などが理由で外で働くことができなくなってしまった人々が手掛けています。同ブランドでは縫い方や手順を記したガイドブックと素材をまとめたトレーニングキットを用意していて、自分のペースでものづくりに参加できるシステムを提供。日本と韓国で約20人が遠隔で働いているのだそう。
ラストは芯のある大人の女性をイメージしたという、バッグの持ち手がついたシアードレスで締めくくりました。最後に花束を持ってランウェイを駆けてきた二人。ミューズである母親に手渡した時、彼女の目には涙が光っていました。

MSML(エムエスエムエル)」(15:30~)イメージスタジオ109 四ツ谷スタジオ

©courtesy of brand

MSMLはボーカル、ベーシスト、ドラマーの3人がデザイナーを務める異色のブランド。ブランド名は“MUSIC SAVED MY LIFE”というスローガンの頭文字から来ています。今季のテーマは「DREAMIN’」。「夢を引き裂く圧倒的な日常という現実」  「圧倒的な日常という現実さえも覆い隠す夢」という相反する思考を軸に、共鏡のあり方を表現しました。ランウェイではボーダーニットやラジカセが背面に描かれたスカジャンなど、MSMLのルーツにある音楽を感じさせるアイテムが多数登場。ラストはデザイナー3人による爆音ライブで観客を圧倒しました。

Chika Kisada(チカ キサダ)」(17:30~)ガーデン新木場ファクトリー

©courtesy of brand

今までにないチカキサダの雰囲気を開始前から感じさせる、真っ赤なライトに照らされた会場。焦燥感のあるビートにのって登場するモデルは、何かの感情に突き動かされているように早歩き。雨なのか汗なのか、頭からデコルテにいたるまで濡れて崩れたヘアメイクが、彼女達に内包される衝動を物語るようです。
チカキサダが今季のクリエイションに落とし込んだのは相反する要素。スポーティな素材は優美なチュールドレスの下に隠され、柔らかなニットはチュールの力でコブのように盛り上がります。
ここ数シーズンにコレクションを象徴するルックとして登場した“骨組み”ドレスやビスチェは、ブラや腰巻きなどウェアラブルに進化。人気のチュールバッグにはショルダー部分にチュールを用いたバッグが仲間入りします。ウォッシュ加工を施したピンクのデニムやチュールのレイヤードシャツなど、定番のアイテムも今季登場します。
バレエに心を捧げ踊りを愛した少女達は、音と光に溢れたダンスフロアへと足を踏み入れました。あの時一緒に踊り、くるくると装いを変えることで何者にでもなれたバービー人形を心に抱きながら。「踊りたいところで踊ればいい、あなたの好きな装いで」。自由な着こなしの彼女達からは、そんなメッセージを受け取りました。

オフィシャルメディアパートナーMetaとのデジタル施策を今季も実施

先シーズンよりオフィシャルメディアパートナーとなったMetaと協業し、ファッションと親和性が高いクリエイターとブランドのコラボレーション企画を今季も実施しています。

3日目に発表したtokioにダンサー/コレオグラファーのBOXER(@boxerdancedancedance)が来場し、会場で披露されたライブパフォーマンスに合わせたダンスのリール動画を作成。Rakuten FWT公式インスタグラムとの共同投稿を実施しました。他にもいくつかのブランドで行われ、順次投稿予定です。ぜひ公式インスタグラムをチェックしてください。

performance BOXER
MUSIC by SHIGEKIMARUYAMA & the LAMPO
Mixed and Mastered by SHIGEKIMARUYAMA

※一部を除き写真は©JFWOになります。