Interview & Report

テンダーパーソン TENDER PERSON

テンダーパーソン TENDER PERSON テンダーパーソン

TENDER PERSON Designer

ヤシゲ ユウト
1994年生まれ。
文化服装学院に入学し、在学中にTENDER PERSONをスタート。

ビアンカ
1994年生まれ。
文化服装学院に入学し、在学中にTENDER PERSONをスタート
18歳から専門学生の間、古着のバイイングやセレクトショップでの販売員を経験する。

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文化服装学院在学中にヤシゲ氏がビアンカ氏を誘って始動したTENDER PERSONは、ファッションに対する大きな熱量と豊かな感性を有したまま、設立から早10年目を迎えた。海外アーティストも挙って着用するポジティブでパワフルな彼らのピースは、ビアンカ氏が目指す「誰かにとっての宝物」そのもの。楽天ファッション・ウィーク東京で去る3月にランウェイを発表したことも記憶に新しく、今後の更なる活躍が期待される彼らに、ブランドの今、今後について話を伺った。

デザイナーデュオとしてブランドをスタートした経緯を聞かせてください

文化服装学院在学中に学生時代の思い出作り的にスタートして、展示会を開催するようになり、気づけば今に至るような感じです。私たち、好きなものは真逆で洋服のデザインの仕方も作り方も全然違うんですが、とにかく学生時代から「ファッションがとにかく好き」という想いが共通なんです。好きなものは異なるけど、同い年で同じ時代のファッションや流行を経験して、共通のファッション観を持っているから一緒にブランドをやっています。

おふたりが影響を受けたデザイナー、ブランドはありますか?

ビアンカ氏)デザイナーだと最も影響を受けたのはヴィヴィアン・ウェストウッドですが、レディー・ガガの存在もとても大きいですね。布を巻きつけて、肉を巻きつけて、「これがファッションだ」と自己主張する自由さを教えてくれました。
ヤシゲ氏)ファッションを好きになったきっかけはNIGOさんで、それからギャルソン、古着、アメカジなど広く興味を持ちました。尊敬するデザイナーはその精神性も含めて川久保玲さんですね。

ブランドのものづくりはどのように分担していますか?

ビアンカ氏)ブランドの全体像を意識してくれているのはヤシゲで、一つ一つのデザインに注力しているのは私かもしれません。こういうものを作りたいという素直な直感を大事にしていて、万人に受けなくても、誰かにとっての宝物として刺さる洋服になるようにとデザインしています。私の場合、趣味も洋服ですし、母も祖母も洋服を作る人なので家でも洋服の話で、、、とにかくずっと洋服のことを考えてます。

ヤシゲ氏)お互いのデザインを見て、それぞれの伝わり方を考えたときに、ブランドとしてバランスを取れるようなものづくりを僕自身は意識している感じですね。バランスの取り方次第で、コレクションの評価が大きく左右されるというのを最近実感しています。ブランドが周囲からどのように見られているかを理解した上で、自分たちのクリエイションをどう全体像として伝えるべきかを考えています。

3月に東京で開催したランウェイショーはいかがでしたか?

ビアンカ氏)学生の頃にオシャレして見に行ったり、客入れのお手伝いしたりしていた東コレのヒカリエに、自分たちがショーをやる側になって戻って来たことに興奮しました。音楽、匂い、設えなどを含めた一瞬の体験を大勢で共有できるショーの偉大さを感じましたし、私たちが伝えたいクリエイション、コンセプトがその場にいてくださる方々に伝わる感覚がありました。
ヤシゲ氏)自分たちも気に入っているコレクションで完全燃焼した感じはありますが、やってみて得られた課題もあります。そして、クリエイションに合わせた自由な環境、タイミングでもう一度ショーにチャレンジしてみたいという想いも生まれました。それまでショーに対してそんなに興味を持っていなかったのですが、多くの方に来場いただけてお祭りのような楽しさ、熱狂を感じ、ショーの魅力に大きな刺激を受けました。

現在のビジネス概況を教えてください

国内は20アカウント前後で、海外は増減あるのですが5アカウントくらいですね。アカウント数の把握よりも、卸先の店舗での売れ行きだったり、SNSでの扱われ方だったり、取引先の状況はまめにチェックしてバイヤーさんとコミュニケーションを取ることを大切にしています。店舗で商品が並んでいる時点で私たちができることはあまりないのですが、店舗で商品がどういう状況かが常に気になりますね。

ブランドとしては堅実に成長している印象を受けますね

ブランド設立当初は、外国人がジャパニーズカルチャーを買うようにインバウンドで選んでもらえるブランドを目指して国内だけの展開を考えていました。とはいえ、ものづくりとして「日本人が着る洋服」を意識することはなく、自分たちが生み出したいファッションに愚直に向かい合って製作を続けてきました。その結果、TENDER PERSONのクリエイションを評価してくれる場所として、周囲からの勧めもあって海外市場への展開を考えるようになり、海外ショールームと契約してTOKYO FASHION AWARDを受賞し今に至ります。

海外ではどのように評価されていると感じていますか?

今最も評価してくれる市場は韓国で、大型店舗の1階エントランス付近にラックを作ってくれたり、様々なアーティストが着用してくれたりと嬉しい状況です。アメリカのH.Lorenzoもインパクトある商品や、ほぼ1点モノのスペシャルピースとして毎シーズン製作している手編みアイテムをいつもセレクトしてくれます。海外でセールスしていて良いなと思うのは、ブランドとしてのジャンルを問われないこと。メンズ、ウィメンズのようなカテゴライズやテイストの枠に囚われずコレクションを見てもらえます。

今後のブランドの展望を聞かせてください

海外の展開先を増やしたいですし、自分たちの世界観をしっかり伝えられる場所として店舗も持てたらと思います。あと、他の方の視点を入れることでクリエイションにも幅が出たり環境も良くなるので、スタッフを増やしてチームとして体制を整えたいですね。

おふたりがこれから挑戦してみたいことはありますか?

ビアンカ氏)今も少し取り組んでいますが、リサイクル素材などエコ観点でのものづくりを増やしていきたいですね。あと、ニットがとても楽しいので、編み物の表現の幅を広げていけたらと考えています。
ヤシゲ氏)前回のショーで携わったことがきっかけなんですが、音楽を作って見たいと思うようになりました。小さな映画の音楽とか面白そうだなと。

Interview by Tomoko Kawasaki
Photography by Kenji Kaido

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