Interview & Report

ディオネ DIONE

ディオネ DIONE introduced by IISER LOEN

THIS IS MY PARTNER vol.2

ディオネはブランドと工場の間に入り、生産を支える黒子役だ。IISER LOENの発想と工場の技術を結ぶディオネによって、靴のデザインの枠を超える新たな表現が生まれる。

株式会社ディオネ
東京都新宿区/創業:2004年
事業内容:紳士靴・婦人靴の製造、販売/従業員数:7名

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株式会社ディオネ
取締役 佐藤 学氏

[紹介デザイナー]
IISER LOEN(イイザ ローン)
手塚 浩二
「学くんとは付き合いが長いので、僕のことを良く理解してくれている。だから新しいものづくりを彼に任せられるんです。」

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イメージのバトン

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ニットの企画製造やブランド運営を行ってきたイエリデザインプロダクツ株式会社が2014年、新ブランドIISER LOENをスタートさせた。ニットのパイオニアとしてイエリデザインプロダクツが培ってきたノウハウを活かした商品開発の裏には、デザインのイメージとものづくりの技術の橋渡しをする、株式会社ディオネの佐藤氏の挑戦があった。

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「実は、手塚さんは自分にとっていつか超えたい存在です。常に広い視野で時代を見据え、アイデアを次々と形にしていく。やっぱり敵わないですね」と話すのは、ディオネの佐藤氏。

実は、佐藤氏はイエリデザインプロダクトの出身だ。既成概念に捉われないアイデアで時代を切り拓く手塚氏を、一番近い距離で見てきたからこそ、手塚氏の存在をこう表現できるのだろう。

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15年前、手塚氏との偶然の出会いをきっかけに、アパレル業界に飛び込んだ佐藤氏。まだ右も左もわからなかった時代から、手塚氏の下で5年間経験を積んだ後、靴の製造を行うディオネを設立した。独立して10年が経った今もなお、二人の間には同志であり戦友でもあるような、絶対的な信頼関係がある。新ブランドIISER LOENの誕生でそんな二人の関係は新たな展開を迎える。

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IISER LOENは、「チームで刺激を与え合いクリエイションを高める“協創”」がテーマになっているという。手塚氏のニットと佐藤氏の靴、お互いの強みを活かして新たな表現に挑むこととなった。IISER LOENのオリジナルニットでディオネがスニーカーを製作する。

「国内でオリジナリティのある商品を作るには、特にフィニッシングが重要」という共通認識のもと、佐藤氏は手塚氏のイメージを完成させる加工を、以前より親交の深い株式会社サーブに託すことにした。

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神奈川県平塚市に工場を持つサーブは、本来デニムの染色や加工を行う工場であるが、ディオネの依頼に応えるべく、靴製品の染色やオゾンなどの特殊加工にも取り組んでいる。

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「靴製品へのオゾン加工は前例が無いため、常に新しい発見があります。弊社はデニム加工が中心ですが、今後は靴や小物など、デニム以外のアイテムにも加工技術を活かしていきたいと思っています」とサーブの峰尾氏は語る。
手塚氏のイメージが佐藤氏を通じて、サーブの峰尾氏にリレーされていく。

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三者の間では細かい指示書などは存在せず、対話の中で互いのイメージを共有していくという。手塚氏と佐藤氏、佐藤氏と峰尾氏の間に築き上げられた信頼こそが、指示書として言語化ができないような新しい実験に不可欠なのだろう。

このイメージが一つに重なった時、全く新しい表情を持ったスニーカーが誕生することとなった。佐藤氏が橋渡しするイメージのバトンは、今日もオフィスと工場を駆け巡る。

 

Interview&Text:Shinya Miyaura (Secori Gallery)
Photography:Yohey Goto

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