カラーマーク introduced by IN-PROCESS BY HALL OHARA
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石川県は国内有数の合繊繊維の産地で、世界から注目を集める数多くの工場がある。
デジタル染色を生業とするカラーマークは小松市を拠点に、産地内の糸屋、ニット工場と協業し、
独創的な価値を提案している。
株式会社カラーマーク
colormark co.,ltd.
石川県小松市/創業:2005年/事業内容:レッグウェアなどのファッション雑貨、建材などのデジタル染色/従業員数:18名
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ブランドを象徴するプリント
IN-PROCESS BY HALL OHARAのコレクションを彩るのは、オリジナルグラフィックによるカラフルなプリントの数々。
ここ3年間、IN-PROCESS BY HALL OHARAのレッグウェアの生産は株式会社カラーマークが担当している。国内一の合成繊維の産地である石川県は小松市に拠点を置くカラーマークは、2015年に創業10周年を迎える。
カラーマークが有するのは「デジタル染色」と呼ばれる、デジタルデータをインクジェットプリンターで出力して、布に昇華転写する染色技術である。
染料インクを用いるので、布の風合いを損ねることなく、色落ちもほとんどしないという特長を持っている。
デザイナーが、イラストレーターやフォトショップで制作したデジタルデータや写真データを、直接インクジェットプリンターが読み込むため、高精細に柄を描写することができる。
また、シルクスクリーンの染色方法と違い、シルクの版を作る必要がないため、ロットに関係なく高精度かつ多色のプリントが可能となり、デザイナーのクリエイションを助けてきた。
プリントとオリジナルボディ
両者の出会いは、「クオリティの高いデジタル染色の工場がある、と知人のデザイナーに勧められたことから」とIN-PROCESS BY HALL OHARAのデザイナー大原氏は話す。
「担当の宮本さんとはほとんどがデータのやり取りになりますが、きちんと意図を汲み取ってくれて、毎回理想の商品が上がってきます」とのことで、実はまだ小松の工場を訪れたことがないという。それほど感性の伝達がうまくいっているのだろう。
カラーマークは、より質の高いプリントを実現するために、タイツ、レギンスなどレッグウェアのボディをニットメーカーと協業して自社で生産。最適なプリントを施すためのノウハウを探求してきた。そのため、高精細で再現性の高いプリントが可能となり、高い評価を得てきた。
「データでのやり取りになるので、社内にデザイナーを置き、お客さまが望む色彩や色調整ができることが強みです」と営業部 企画営業一課 責任者でIN-PROCESS BY HALL OHARAを担当する宮本氏は話す。
異分野からの躍進の10年間
もともとカラーマークは、建材への加工をメインとした工場だった。
柄合わせなど、寸分のずれも許されないプリントの世界で培った技術をベースに、2008年からアパレル雑貨向けのプリントをスタート。年々アパレルのシェアを拡大し、わずか4年で総売上の40%を占めるまでに成長した。
「レッグウェアでは、1ミリ単位での柄合わせが求められます。試作の連続で苦労しました」と、宮本氏は開発期間を振り返る。
独自のレッグウェアボディの開発、高発色を表現する染色実験、柄合わせのための独自のノウハウなど道のりは長かったようだ。
北陸産地の強み
カラーマークは、今後も自社のプリント技術を活かして、北陸産地内の繊維企業と協業し、新たな挑戦をしていくつもりだ。
Interview&Text:Shinya Miyaura (Secori Gallery)
Photography:Yohey Goto