PICKUP 08/23/2025

[ORIMI] 初参加アンケート

[ORIMI] 初参加アンケート

ブランドや服作りについて

── ファッションデザイナーを目指したきっかけと、ブランドを立ち上げた経緯を教えてください。

幼少期から古着やストリートカルチャーに触れ、スタイルを通じて「自分を表現すること」に惹かれました。大学卒業後はセレクトショップの立ち上げ・運営を経験し、デザインと向き合う中で“本当に作りたい服”の輪郭が浮かび上がってきました。2020年、ブランド「ORIMI」を立ち上げ、構築的かつ遊び心あるシルエットで、自分自身や時代と向き合うための服作りを続けています。

── ブランドのコンセプトや服作りを通して伝えたいことは?また、提案したい男性像・女性像はありますか?

ORIMIは、構築的なフォルムとデコンストラクションを通じて、個人の内面と社会との関係性を表現するブランドです。日常の違和感や都市生活における孤独感と向き合いながら、着ることで新たな自分に出会えるような服を提案しています。 「強さ」と「繊細さ」を併せ持つ人。既存のジェンダー像や価値観に縛られず、自分自身の輪郭を自由に更新し続ける人。そんな人物像に共鳴する人たちに向けて、服を通して問いかけを続けたいと思っています。

── クリエーションにおけるインスピレーション源、コンセプトメイキングの方法は?

創作の出発点は、日常生活の中でふと感じる違和感や、都市における孤独、社会に対する小さな違和感です。そこからテーマを抽出し、文章や言葉で核となる思想を固めていきます。その後、ビジュアルリサーチを行い、身体性や感情の動きを意識しながら、服としての「かたち」を立ち上げていきます。自分自身の内面や時代と向き合いながら、問いを投げかけるような服作りを心がけています。

── 現在の取り扱い店舗を教えてください。また、ブランドのファンはどのような人たちですか?

現在は東京・大阪の直営店「THE ELEPHANT」に加え、国内外のセレクトショップで展開しています(10 CORSOCOMO SEOULなど)。アートやカルチャーへの感度が高く、自分の価値観でファッションを楽しむ30代前後の層を中心に支持されています。メンズ・ウィメンズの枠を越え、日常と非日常のあいだを行き来するような、自由で実験的なスタイルを求める方々がブランドのファン層です。

── ファッションで影響を受けたブランドやデザイナー、スタイル、カルチャーは?また、その理由は?

日本のデザイナーズブランドならではの、日常に溶け込みながらも独自の構築性を持った服に影響を受けました。特に「違和感を残す日常着」という姿勢に共鳴しています。加えて、原宿のストリートカルチャーや90年代の裏原的空気感にも大きく影響を受け、スタイルを通じた自己表現の自由さを学びました。カルチャーや社会との距離感を服で表現するアプローチに強く惹かれています。

2026 SSについて

── Rakuten Fashion Week TOKYO 2026 SSへの参加の動機は?

ORIMIは“日本という土壌から生まれる価値”を見つめ直しながら、グローバルな視点で表現を展開したいと考えています。その第一歩として、日本発のクリエーションを世界へ発信できるRakuten Fashion Week TOKYOの場で、自身の思想や表現の現在地を示したいと思いました。単なる発表の場にとどまらず、ブランドの核を再定義する機会として位置づけています。

── 2026 SS シーズンのコンセプトやイメージを教えてください。

“快適で正しい服”が求められる時代において、あえてそこに“エラー”や“ノイズ”を挿入することで、個性や違和感を肯定するコレクションです。 「しっくりくる服」への疑問から出発し、わざとキャラクターから少しずれた服、まとまりすぎないスタイルを提案します。バランスを少し崩すことで新たな美意識や視点を立ち上げる。そんな“スタイリングの誤差”を含んだシリーズです。

── ショーもしくはインスタレーションの構想を教えてください。

今回は、コペンハーゲンを拠点にLVMH傘下ブランドのOUR LEGACYなどのスタイリングを手がけるLeung Pak Tingをスタイリストに起用。ORIMIの世界観に、より国際的かつカルチュラルな視点を取り入れ、新たな解釈を試みます。ショーでは「構築性と違和感の同居」をテーマに、音楽演出を含めた空間全体を用いて表現を行う予定です。日常から少し“ズレた”スタイリングや演出によって、静かで力強い異物感を生み出します。

今後

── ブランドとしての展望を教えてください。

今後は、これまで国内で培ってきた表現や価値観を軸にしながら、海外のマーケットにも積極的に挑戦していきたいと考えています。特にアジアやヨーロッパのセレクトショップとの関係性を深め、各地のカルチャーや文脈に応答しながら、ORIMIとしての独自の提案を続けていくことが目標です。 “グローバルに開かれたローカルブランド”として、異なる背景を持つ人々に届く服づくりを目指します。

TOKYOについて

── あなたにとってTOKYOとはどんな街ですか?

私にとって東京は、ファッションの“現場”そのものです。特に原宿は、個性と混沌が交差しながら、新しいスタイルや価値観が次々に生まれる場所。常に何かが更新され、誰もが「自分らしさ」に挑戦できる街です。 東京で服を作り続けることは、変化し続ける都市と対話しながら、自分自身の輪郭を問い直すことでもあります。

── 東京で好きな街もしくはスポットと、その理由を教えてください。

原宿が一番好きな街です。カルチャーが交差し、世代やジャンルを越えた表現が生まれ続ける場所だからです。裏通りに入ると静かな住宅地や古い建物が残っていて、喧騒と静けさのギャップも魅力の一つ。そうした“ノイズ”の混在こそが、ORIMIの服づくりにも大きな影響を与えています。

── お気に入りもしくはオススメのショップ(ファッション、インテリア、飲食などジャンル問わず)、施設、スポットなどを教えてください。

・SULLEN TOKYO(渋谷) コンセプチュアルでありながら日常と地続きの提案が魅力のショップ。ブランド選定から空間設計まで一貫した美意識があり、東京のストリートカルチャーの洗練されたヴィンテージクロージングへの愛とを感じられる場所です。 ・カタネベーカリー(代々木上原) ローカルに根ざしながらもセンスが良く、朝の空気と焼きたてパンが街と調和している。思考を整理したいときによく訪れます。 ・Factory_01(原宿) 自身のショップ兼ショールーム。裏通りにありながら、都市の静けさとエネルギーが同居する、自分にとっての原点のような場所です。

Designer
折見 健太 / Kenta Orimi
Category
Men’s & Women’s Ready-to-Wear, Shoes, Bags, Accessories, and More