三浦 メグ Megu Miura MEGMIURA WARDROBE(メグミウラ ワードローブ)
MEGMIURA WARDROBE Designer
神奈川県横浜市出身。エスモードジャポン東京卒。Linda Atelier,YOICHINAGASAWAを経て独立。フリーランスデザイナーとして各クライアントワークを行い、2016年にMEGMIURA WARDROBEを立ち上げ。21AWシーズンよりリブランディング。
[ Website ] http://megmiura.com/
[ Instagram ] https://www.instagram.com/mm_megmiura/
[ Online store ] https://www.megmiura.store
2016年に自身のプレタポルテラインとして立ち上げ、2021AWシーズンにはアウターに特化したブランドとしてリブランディングした、三浦メグ氏が手がける「MEGMIURA WARDROBE」。2022SSシーズンで初めてRakuten Fashion WEEK TOKYOに参加し、デジタルプレゼンテーションにて発表。会期中にはヒカリエにてプレゼンテーション映像について解説するトークセッションを開催し会場は熱気で包まれた。今回のプレゼンテーションの狙いから、ブランドの理念、デザインへのこだわりについて、三浦氏に話を伺った。
今回初めてRakuten Fashion WEEK TOKYOへ参加されましたが、参加を決めた経緯を教えてください。
「MEGMIURA WARDROBE」はエレガントなイメージが強いレディスブランドから、「ジェンダーレス」「エイジレス」「ボディポジティブ」をコンセプトとし、アウターに特化したファッションブランドに2021AWにリブランディングしました。リブランディングした表現でブランドの認知度を上げていくために、多くの方にご覧いただける場としてファッション・ウィークに参加を決めました。ルックで発表する既存の方法よりも、多様なモデルがコレクションを着用して動いている表情や動作が収められた映像作品で発表する方がより多くの方にコンセプトが伝わりやすいと考えていたので、今回の参加はブランドにとってとても自然な流れでしたね。
ランウェイでの発表ではなく、プレゼンテーションとしての発表を選んだのはなぜでしょうか?
3つのコンセプトに加えて、ブランドが提唱するデザイン「360度美しいフォルム」は、ランウェイでも表現できるとは思いますが、まずは私たちが見せたい角度、見せたい動きで表現したいと考え映像作品を選択しました。映像は「To a new balanced world」というテーマにおいて、私たちのアウターを身につけて新しいバランスの世界を生きていくイメージで制作しています。表現や構成に関しては、デイヴィッド・バーンとスパイク・リーの映画「アメリカン・ユートピア」で描かれる多層な文化を持つ人種が求める桃源郷からインスピレーションを受けていますね。
公開後の反響はいかがでしたか?
配信での発表だったので反響は正直未知数だったのですが、公開と同時にトークセッションをさせてもらえたのがとても良かったと思っています。トークセッションを通して映像の世界観をお客様と共有できたり、ブランドとしての想いや映像に至るまでの過程を直接話ができたことで、その場で様々な質問をいただけたり取材を受けたりとコミュニケーションの機会を拡げることに繋がったと感じています。映像での発表だったからこそ、物理的な距離を超えて全国の取引先様やブランドのファンの方々に届いたらいいなと思っています。
今後ブランドとしてはどのような発表を予定されていますか?
ブランドとしてポジティブなメッセージを届けたいと思うので、ランウェイも視野に入れつつ、コロナの状況が刻々と変わる状況を見極めつつ、デジタル、フィジカル、あるいは全く違う新しい方法で、ベストな発表を検討していきたいですね。
今後の発表も楽しみにしています!クリエイションについてもお聞きしたいのですが、そもそもリブランディングでアウターに特化されたのはなぜでしょうか?
もともとはレディスブランドとしてやっていたのですが、コロナ禍でいろいろと考えるところがあり、人々がより良い生活を送るためのファッションを提案したいという想いが強くなった結果、ジェンダーの境がなく自由な表現が出来るアイテムとしてアウターをメインに考えました。部屋の内と外の感覚も変わってきている現在で、部屋着にアウターを羽織ればコンビニにも百貨店にも行ける、そんなファッションがあったら面白いんじゃないかなと。あと、体型を良く見せることが出来るアイテムでもありますし、可能性を感じました。
コレクションのインスピレーション源はどのようなものでしょうか?
リブランディング前は、様々なアイテムを発表していたのでムードやテーマ性を大事にしていましたが、アウターに特化した今は、「着る人のイメージ」を掘り下げてクリエイションしています。女性が見たらレディスっぽいアイテムだったとしても、男性から見たらそう見えないとか、人によっていろいろな考え方、捉え方がありますよね。そういうキワを攻めたいと思っていて、こういう人が着るからこれはアリ、ナシみたいな、そういう人を起点にした物作りをしています。 また、アウターは気温の変動に左右されるアイテムなので、取引先様とのコミュニケーションを取りながら企画を進めていますね。刻々と変わる店頭の状況や取引先様からのご意見はブランドとしても大切な情報だと思っています。
ブランドのビジネス概況はいかがでしょうか?
現在はリブランディング後、国内で8アカウントのお取引先があります。リブランディング前は海外がメインだったのですが、コロナで一旦ストップしています。ターゲットも、方向性も大きく変えた今、お客様の層も当然変わってきたので、国内でまずは喜んでいただけるブランドとしてポジションを確立することが必要だと考えています。
最後に、ブランドとして、デザイナーとして、今後の展望を聞かせてください。
ブランドとしては、メンズ、レディス問わず様々な店舗のコート売り場にMEGMIURAのアウターが並ぶことを目標にしています。性別、体型関係なく老若男女なお客様がご来店されて試着していただける状況を作りたい。そのために卸先様を大事にすることが最優先ですが、自分たちの言葉でブランドを語れるスタッフとのコミュニケーションを楽しんでいただける場所として実店舗もいつか持てたらと考えています。卸先のショップさんやポップアップイベント、ファッション・ウィークもそうですが、ファッションを楽しめる場所もブランドとして盛り上げていけたら嬉しいですね。 デザイナーとしては、カテゴリーに特化した事業を拡大できたら面白いなと思っていて。ボトムスのブランドやカットソーブランドとか、それぞれに多様なお客様がいて、それぞれのブランドからお客様同士の交流も始まって行くみたいな、そういう展開ができたらデザイナーとしては嬉しいです。